記事 - 太陽光発電|株式会社 恒電社(コウデンシャ)

【導入事例】株式会社協進社様が自家消費型太陽光発電を導入|“20年後も若い人が集まる会社へ”——昭和23年創業の圧造メーカーが、暑い工場で働く仲間のために選んだ一手

作成者: 岩見啓明|Jul 9, 2026 4:00:00 AM

要約

株式会社協進社について:金型で寸法を出し切る「ネットシェイプ」のものづくり
昭和23年(1948年)創業、埼玉県加須市の冷間圧造メーカー。パーツフォーマー(横型プレス機)による鍛造を軸に、特殊ねじ・特殊パーツ・ボルト・カラー・中空ナットなどを製造し、大手自動車メーカーのTier1サプライヤーへ部品を供給する。金型で寸法を出し切る「ネットシェイプ」を追求し、削り出しでは多くの材料を捨てる加工を、必要最小限の材料で成形する点を強みとする。

自家消費型太陽光発電を導入した理由:工場の暑さ対策と、上がり続ける電気代への備え
きっかけは「夏の工場の暑さ」。そこで働く人の環境を守るために空調導入を検討する中、高騰し続ける電気代への対策として、空調の電力を自給できる自家消費型太陽光発電に着目した。あわせてパネルによる遮熱効果も見込み、加須第2工場の屋根に約206.6kW(パネル426枚)を設置した。

今後の展望:「20年後も平均年齢30代の会社でありたい」
売上や社員数などの規模拡大よりも、一人ひとりが豊かに働ける少数精鋭の経営を志向する同社。社是は「社員全員が協力し、進化し続ける会社を目指す」。次の50年を見据え、更なる技術革新に邁進しつつ、20年後も平均年齢30代の若い組織であり続けることを目標に掲げる。

製造・販売業(特殊ねじ・特殊パーツ等)|株式会社協進社様

埼玉県加須市に工場を構える株式会社協進社様は、昭和23年創業の老舗精密圧造メーカーです。

今回、同社が「自家消費型太陽光発電」の導入に踏み切った背景には、年々厳しさを増す工場の暑さから、働く仲間を守りたいという強い思いと、高騰する電気代への備えがありました。

「規模を追わず、社員一人ひとりと向き合う。」「20年後も平均年齢30代の会社でありたい。」——そう語るのは、池田壮一郎 代表取締役社長。

人を起点とした独自の経営哲学と、数ある企業の中から恒電社をパートナーに選んだ理由について詳しくお話を伺いました。

「100gの製品を、100gの材料でつくる」

━━━本日は貴重なお時間をありがとうございます。まず、御社の事業内容を教えていただけますでしょうか。

弊社はパーツフォーマーという横型のプレス機を使って、自動車部品等を製造・販売しているメーカーです。主なお客様は、大手自動車メーカーのTier1(ティアワン)と呼ばれる部品メーカー様になります。

比率は国内向けが3割で、7割は輸出です。お客様の売上自体が海外中心ですから、自然とそうなりますね。

━━━ホームページで「ネットシェイプの限界に挑み続けます。」という言葉を拝見しました。そもそも「ネットシェイプ」とは、どういう製法なのでしょうか?

我々は「鍛造(たんぞう)」、つまり金型に材料を入れて、金属を変形させることで製品をつくります。

お客様の精度要求はかなり厳しく、軸の公差(許容誤差の最大寸法と最小寸法の差)が100分の5以内という場合もあります。こういった部品は、以前は切削業者さんが削って出すのが普通でしたが、金型で精度高く寸法を出し、製造する。それが「ネットシェイプ」です。

実はこれは環境問題にも直結しています。たとえば軸径10mmに50mmのつばが付いた部品を切削で作ろうとすると、材料は50mmの棒からでないと作れない。100gの製品をつくるのに、500gも600gも材料が要るんです。

そして削った分は切粉になって、スクラップ屋さんに引き取られていく。でもうちみたいに金属を変形させて作れば、100gの製品は100gの材料で良い。弊社の場合、金型設計から社内でやっていますし、少ない資源で効率良く作ることが可能です。

材料の価格もどんどん上がっていますし、今求められているのは、間違いなくこの作り方です。

━━━自動車関連のお客さまが多いと、やはり脱炭素やサステナブルな製造へのシフトを求められるのでしょうか?

非常にありますね。ただ、求められるからやるのではなく、会社の経営自体も持続可能な方向にしていくという、私の考え自体がシフトしてきたのが大きいです。

自転車のネジから、世界へ届く部品へ

━━━創業の歴史を伺えますか?

創業は昭和23年、1948年です。もともとは私の祖父が、終戦後に東京都北区の上中里で、自転車のネジなどをつくり始めたのが最初です。手狭になって埼玉県の草加に工場を移して、そこでも自転車のネジをやっていました。

そのうち自動車の仕事を少しずついただけるようになって、加須の方へ移ってきたという流れですね。

━━━池田様は三代目だそうですね。

そうです。祖父が創業して、父が二代目。私自身はもともと別の会社にいて、リーマンショックの頃に転職してこの会社に入りました。

そこから10年以上、ずっと自分で電話をしては、飛び込み営業に回って、お客さまとの信頼関係を構築してきました。社長になったのは2020年です。

━━━2020年というと、ちょうどコロナ禍と重なりますが、やはり事業へも影響はありましたか?

そうですね。人の動きが止まって、お客様の工場も止まって、生産台数も売上も大きく下がりました。正直、苦しいタイミングでの就任でした。

「規模を追わない。」人を起点にした経営

━━━社長就任後、会社をどう変えてこられましたか?

一番に変えたのは、従業員の待遇です。何よりもまず、お給料を上げる。そして、働く環境をもっと良くしていく。今はその最中です。

根っこにあるのは「持続可能かどうか」という考えです。働いてくれる人が豊かにならないと、会社にはいてくれない。やりがいや環境、待遇、そういうものがあって初めて人がついてきてくれる。その人たちにきちんと報いることができるだけの利益を会社が出せなければ、そもそも持続可能じゃない。

だから私は、規模を追わないんです。

仮に、売上や利益が非常に出ていたとしても、設備をフルに動かして、稼働率を限界まで上げて...というのは、いろんな意味で持続可能じゃない。コロナでも震災でも、何か大きなことが起きたとき、人数が少なくて余裕のある会社の方が耐えられる。

私は自分の目で見える範囲でやりたいんです。従業員の名前が「あの人、誰だっけ」となるような会社にはしたくありません。

━━━少数精鋭で事業を行っていくと、やはり売上や利益を高めることも不可欠かと思います。高い収益性を実現できる会社と、そうでない会社の差はどこにあると思われますか?

弊社やこの業界の場合ですが、一番はメーカー様との直接取引の比率を高めていることが大きいと思います。

直接契約によって、お客様にとってはコストメリットが生まれ、弊社としても適正な利益を確保して社員に還元しやすくなります。もちろん商社様の役割も重要ですが、自社の営業努力でお客様と直接の信頼関係を築くことを大切にしています。

これは口で言うのは簡単ですが、実現するのは大変です。

━━━貴社だと、なぜそれが出来ているのでしょうか?

長い時間をかけて、お客様と向き合ってきたからだと思います。私が入社した当初は、自分の時間も100%犠牲にして奮闘してきました。お客様に電話して、飛び込み営業もして、少しずつ信頼関係をつくって...その積み重ねでしか口座は開いてもらえない。だからみんな簡単にできないんです。

人から仕事をもらうのは、養殖みたいなものだと考えています。餌をもらえなくなった瞬間に死んでしまう。天然の魚は、自分で泳いで獲りに行く。私は昔から、何かを誰かに握られているのが嫌なんです。

━━━お客様からすると、貴社を「選ぶ理由」はどんなところにあると考えられますか?

難しい質問ですね。もちろん、品質面で賞も多くいただいていますし、事実「品質が良いから」というの部分もあると思います。

根本的に、我々の業界は「くじら漁」に例えられます。つまり、イワシのように頻繁に獲れるものではないけど、一回お付き合いが始まったら20年続くような世界なんです。その代わり、やはり絶対的な安心感とか、「この会社だったら大丈夫だよね」というイメージをお客様に持っていただく必要があります。

そんな信頼を勝ち得るプロセスにおいて、なぜ弊社を選んでくれたのか、本当のところはお客様に聞かないと分かりません。でも、会社として寄り添ってきた結果だと思います。

お客様が困っている時に、お金じゃなくて、真摯に寄り添って、課題を解決する。その積み重ねだと思いますね。

全員と向き合う経営|あえて、役職をつくらない。

━━━他にも社長に就任されてから、変えてきたことはありますか?

社長になってからずっと続けているのが、夏と冬の賞与のときに、社員一人ひとりと面談することです。一人につき1時間以上かけるので、1週間まるごと使います。

彼らがやりたいこと、困っていること、不満に思っていること。それを知る良い機会なんです。一人ひとり立場も家庭の事情も違う。コピペで済む話なんて一つもないですから。

━━━一人ひとりと1時間の面談は、すごいですね。

全部で40時間以上かかりますよ。でも「こういうのやりたかったんだ。 じゃあ、やってみてよ」とか、「あ、それすごい辛かったんだ。 じゃあやめようよ」とか、そういう面談って、実は従業員が辞めない一番の理由だと思っています。

それに、賞与もただ渡すだけでは、自分の何が良かったのか分からないですし、励ましの言葉だけでも、そこに価値が生まれません。「ここがこれだけ良かった」「ここはこうすればもっと良くなる」と、必ず言葉を添える。ハード(お金)とセットになって初めて、言葉に力が宿るんです。

山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」。シンプルですが、結局それですよね。

あとは、うちは組織をフラットにしていて、課長や係長といった役職者はいません。極端に言えば、社長とメンバーだけです。給料は等級に応じて上がっていきますが、役職として階層を細かく分けることは、私の考えでは、今の当社の規模においては効率的なマネジメントやスピード感の妨げになる場合があると考えているんです。

━━━従業員の方の家族構成まで把握されていると伺いました。

子どもが高校に合格したらお祝いを渡す、生まれたら洋服を買ってあげる。小さなことですけど、されて嫌な人はいないでしょう。それも、自分が一人ひとりを分かっていないとできない。

彼らは家族も背負っているわけですから。自分が理解できる範囲でのビジネスにしよう、という話に繋がります。

「働く人の年齢を見れば、会社が分かる」

━━━貴社は、平均年齢がとても若いそうですね。

はい、今回太陽光発電設備を設置した第2工場なんて、本当に若いですよ。18歳の新卒もいれば、20代が中心で、まとめ役の人間で40代。製造業だと40〜50代が中心なことが多いと聞きますが、うちは業界の中でもかなり若い方だと思います。

しかも大事なのは、ただ若いだけじゃなく、工業高校から毎年新卒で入社してくれていることです。そして辞めずに定着していること。これが一番すごいと自負しています。なぜ入ってくれるかといえば、先輩が辞めていないからなんですよ。辞めないように、彼らに寄り添う。その繰り返しです。

19歳の社員には、私はこう言ったことがあります。「私が19の頃なんて、大学で遊んでばかりで、毎朝同じ時間に同じ場所へ行くことすらできなかった。それを毎日続けているだけで立派だ」と。覚えが早いとか遅いとかは、もっと後の話です。新入社員には新入社員の環境に寄り添ってあげる。結局、人に寄り添うことが重要なんです。

━━━従業員の若さは経営にとってどんな強みになりますか。

若い子は素直です。それから、新しいことにアジャストできる。それが一番の強みだと思っています。

変化の激しい時代において、新しい技術や環境の変化に柔軟に適応できる若い力があることは、企業として非常に心強いです。トップダウンではなく、現場から変化を受け入れて前向きに取り組んでくれる社風には、本当に助けられています。

きっかけは「工場の暑さ」だった

━━━太陽光発電を導入された、最初のきっかけを教えてください。

きっかけは、工場の暑さ対策です。あの環境で人がずっと働き続けるのは持続可能じゃない。だから空調を入れようと考えました。

ただ、電気代がどんどん上がっている中で空調を回せば、当然コストも増える。会社は利益を出し続けないといけない。それなら、夏のクーラーで使う電気を、太陽光で少しでも賄えないか。それが設置を検討したの最初の理由です。

━━━パネルによる遮熱効果も期待されていたそうですね。

最初は社内で、「パネルを乗せたら屋根の塗装ができなくなるから、太陽光の検討の前に塗装をしては?」という声もあったんです。でも調べてみると、パネルを乗せて遮熱効果があった、という会社さんが多かった。だから順序も含めて実際どうなのかと、問い合わせをさせてもらった流れですね。

パネルを設置することによる単純な遮熱効果に加え、空調が効きやすくなるため、電気使用量自体の削減にも繋がると聞き、前向きに検討し始めました。

加須第2工場に設置された太陽光発電設備

  • 太陽光パネル:426枚

  • 設備容量:約206.6kW

なぜ、恒電社を選んだのか

━━━今回、複数社を比較検討されたと伺いました。恒電社を選んだ理由を、率直に教えてください。

本音で言うと、理由は2つあります。

1つは、きっかけと口コミです。実務を担当していた高畑に「どこから見積もりを取ったの?」と聞いたら、お付き合いのある専門家の方から「恒電社さんが良いよ」という話が、最初に入っていたらしいんです。それで見積もりを取った、と。

もう1つは、ここが大事なんですが、営業の折原さんが来られて、すごく誠実な方だなと感じたことです。私はこれまで、お客様や仕入れ先、さらには採用でも、本当にたくさんの人間と会ってきました。もちろん100%は分かりませんが、誠実な人間かどうかは、なんとなく雰囲気で分かるものなんです。

その場だけ取り繕う人も多い中で、折原さんは「この人はしっかりしているな」と思えたし、会話の端々に教養も感じました。

あとは、恒電社さんも平均年齢が若いっていうのも大きかったですね。社長や上の立場の人がどれだけ良い話をしてても、こちらでは裏付けが取れない。でも働いている人の年齢を見れば、その会社がしっかりしているかどうか、だいたい分かると思ってるんです。

相対的に、選択肢が多くある若い人が辞めていく会社にはそれなりの理由があるし、逆に若い人が集まってくる会社にも理由がある。何事も、結果には理由があるんです。恒電社さんは若い人が多く、かつお話しして信頼できた。それも、お願いしようと思えた理由でした。

━━━ご契約後、実際に工事工程に入ってからの現場の評価はいかがですか。

実は今回、私自身は恒電社さんの現場の担当者さんには会っていないんです。やり取りはすべて高畑に任せていました。

でも「恒電社さんにしよう」と決めたのは私ですから、思っていたようなサービスでなかったら困る。だから状況のヒアリングは逐一していました。報告を聞く限り、しっかり対応してくれていて、高畑も満足しているようでした。

次の空調工事も恒電社さんにお願いしようと考えています。

━━━ありがとうございます。電気工事のパートナー選びで、大切にされている点はありますか。

電気って、目に見えないものでしょう。だからこそ、しっかりした会社にお願いしないと怖い。安いケーブルを使われていても、こちらには分からないですしね。安全や火災に直結する世界ですから、信頼できるところにお願いしたいと考えています。

恒電社さんは太陽光だけでなく、高圧のキュービクルの更新も、空調も、LEDも手がけられる。工場のエネルギーをまとめて任せられるのは、安心感が大きいです。

「20年後も、平均年齢30代の会社でありたい」

━━━最後に、5年後、10年後、どんな会社にしていきたいか、展望をお聞かせください。

一言で言えば、20年後も、平均年齢が30代の会社であり続けたい。それだけです。売上がどうとか、人数がどうとか、もうほとんど考えていません。私が70歳になった頃にも、会社の平均年齢が30代後半、そういう会社であってほしいと思います。

これだけ高齢化が進んで、世の中も変容している。20年後はもっと働く人の選択肢が増えているはずです。その中でなお、若い人が集まってくれるなら、それはきっと、その会社に魅力があるはずです。何事も、結果には理由がある。若い人が集まる会社には、必ず理由があるんです。

━━━本日は、ものづくりから経営哲学まで、貴重なお話をありがとうございました。