判断の要点
太陽光発電設備を設置した場合、建物の構造や耐久性に負担がかかる可能性はあります。具体的には、屋根に荷重がかかることと、配線工事やボルト固定の際に屋根自体の防水性が低下するリスクの2点です。
ここでいう建物の耐用年数は、荷重増加や防水性低下による物理的な耐久性・実際に使用できる期間を指します。建物への影響を抑えるためには、適切な荷重計算や補強工事、防水メンテナンスが必要です。
屋根の防水性については、屋根に太陽光パネルを設置した場合、雨漏りのリスクはないのかもあわせてご参照ください。
「耐用年数」という言葉には2つの意味があり、混同しやすい点です。ひとつは前項の物理的な耐久性、もうひとつは会計・税務上の「法定耐用年数」=建物の構造・用途によってあらかじめ定められる減価償却の区分です。
このうち会計・税務上の法定耐用年数は、太陽光発電設備を設置しても変わりません。屋根にパネルを載せたことで、建物の減価償却の区分が短くなったり長くなったりするわけではない、ということです。
また、太陽光発電設備自体は建物とは別の資産として、原則17年(電気業用設備)などの区分で減価償却されるのが一般的です。区分の詳細はソーラーカーポートの耐用年数と資産区分の解説もあわせてご参照ください。
太陽光発電の設置にあたって、屋根の強度や防水性能に関する調査・判断は、原則として建物オーナー様のご判断・ご負担のもとで業者を手配いただいています。
屋根の耐荷重や補強の必要性を確認するためには、工場を建設した建築会社や第三者調査会社による構造診断や荷重計算を実施いただくケースが一般的です。
屋根の形状については屋根上太陽光発電設備の設置|“形状が重要?”“向いていない”屋根とは?、業種や建物の用途による違いについては業種や建物の用途によって、屋根の強度や太陽光パネルの設置スペースに違いはあるのか?もあわせてご参照ください。
建物の保険料は、太陽光発電設備の設置によって上がる可能性があります。設置によって火災や損害のリスクが高まると判断された場合に、保険料が引き上げられることがあるためです。
保険会社様によっては、建物の評価額の上昇・補償範囲の拡大・自然災害リスクの変化という3つの要因が、保険料の変動に影響を与えるケースもあります。
事前に確認しておきたい主なポイントは、「企業総合保険」で設備がカバーされるか、「自然災害」への対応が可能か、の2点です。
いずれも、設置の前に現在の契約内容を確認しておくことがポイントになります。
――屋根の強度や防水性能の調査は、誰が手配するのですか?
そのため、太陽光発電の設置にあたっては、建物の屋根の強度や防水性能に関する調査・判断について、原則として建物オーナー様のご判断・ご負担のもとで業者をご手配いただいております。
――調査の実施や費用負担は、誰が判断するのですか?
ただし、調査の実施有無や範囲の決定、それに伴う費用のご負担、さらに調査結果を踏まえた太陽光発電の導入可否の最終判断については、お客様ご自身の責任のもとご対応いただく必要がございます。
――保険について、恒電社ではどのように案内していますか?
恒電社から特定の保険商品をご紹介することは行っておりません。そのため、「すでにご加入の建物保険があるかと思いますので、まずは現在の保険会社にご相談ください」といった形でご案内させていただいております。
恒電社では、信頼できる調査会社や建築士のご紹介が可能であり、構造計算や荷重計算についても間接的にサポートしています。判断材料となる情報提供やアドバイスはできる限り行っていますので、ご不明な点があればご相談ください。
建物と太陽光発電設備は別々の資産として扱われ、適用される区分も分かれます。個別の会計処理については、顧問税理士にご確認ください。
補償内容の増額が必要かどうかは、施主様ご自身のご判断になります。「増額した方が良いのか」「その必要があるのかどうか」といった点は、保険会社様とのご相談の中で決めていただく形です。
補償内容や限度額も一度見直しておくと安心です。こういった点を事前に確認しておくことで、設備設置後の万が一のリスクにも備えることができます。
「うちの屋根に載せられるのか」への答えは、屋根の構造・築年数・耐荷重で変わります。設置可否の見立てや構造確認の進め方など、設計段階の疑問からご相談いただけます。