判断の要点
業種や建物の用途によって、屋根の強度や設置スペースには差が生じます。設置を検討する際に確認が必要になるのは、屋根の強度や勾配、太陽光パネルの設置スペースといった条件です。
| 建物・用途の例 | 屋根の傾向 | 太陽光パネル設置の見通し |
|---|---|---|
| 大型倉庫、物流拠点、大型倉庫や工場に多い「折板屋根」の建物 | 比較的広くて平坦。折板屋根のように広く平坦な屋根は設置スペースを確保しやすい傾向がある | 設置スペースを確保しやすい |
| 既築建物で構造確認が必要な場合 | 設計図書や現地調査により、支持骨組・部材寸法・外装材の仕様や建物の現状を個別に確認する。勾配や設置スペースは設置計画上の条件として別に確認する | 屋根の耐荷重を事前に調査し、調査結果に応じて補強工事を検討する |
この表から読み取れるのは、設置スペースの確保しやすさや、調査結果を踏まえた補強の必要性は、建物ごとの構造や状態によって異なるという点です。
ただし、耐荷重の確認が必要になるのは古い建物に限りません。設置前に屋根の耐荷重調査や、必要に応じた補強が求められるケースもあります。屋根や建物に関する記事として、屋根上太陽光発電設備の設置|“形状が重要?”埼玉県の事例から分かる“向いていない”屋根とは?、八千代紡織株式会社様が新設倉庫に自家消費型太陽光発電を導入、太陽光発電設備の設置が、建物の耐用年数や保険料に影響を与えることはあるのか?もあわせてご覧ください。
屋根の強度に懸念がある建物では、屋根の耐荷重を事前に確認し、調査結果に応じて補強工事を検討します。勾配や設置スペースについても、太陽光パネルを設置できる条件を満たすか確認します。まず耐荷重の調査で「太陽光パネルを載せても問題ないか」を確認し、調査結果を踏まえて、必要に応じて補強工事を検討します。
設置前の確認の進め方は、NEDO「建物設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン(2025年版)」にも示されています。既築の建物では、設計図面で支持骨組や部材寸法、外装材の仕様などを確認し、構造計算書で、太陽光発電設備の重量を加算した場合にも自重と地震荷重に対して構造部材に問題がないことを確認します。設計図書がない場合は、建築士など構造設計の専門家に現地調査を依頼します。あわせて、現地調査で実際の建物と設計図面が一致していることを確認することも重要とされています。折板屋根に設置する場合は、山部分に専用の支持金物を取り付けてモジュール側の専用レールを固定し、その金物は屋根材への使用に問題がないことが事前に確認された製品を使用するとされています。
恒電社が調査会社や建築士への発注をお手伝いする場合でも、次の3点はお客様ご自身の責任のもとでご対応いただく必要があります。
調査の実施有無・範囲・費用、そして導入可否の最終判断はお客様が決めるという前提で、恒電社は調査会社や建築士への発注を通じて間接的に支援します。
――屋根の耐荷重計算は、どなたが行うのですか?
基本的には、お客様が建物を建てた建築会社や設計者に「太陽光パネルを載せても問題ないか」をご確認いただく形が一般的です。
――建てた建築会社と連絡が取れないケースもありますか?
ただし「建物を建てた建築会社と連絡が取れない、すでに廃業している、相談しにくい事情がある」といったケースも少なくありません。
――その場合、恒電社はどこまでサポートできますか?
そのような場合には、恒電社では、信頼できる調査会社や建築士へ発注することも可能であり、構造計算や荷重計算についても間接的にサポートさせていただきます。
恒電社自身が耐荷重計算を行うサービスは提供しておらず、必要な場合は調査会社や建築士への発注を通じて間接的に支援します。
補強は「必要に応じて」行うもので、すべての建物で発生するわけではありません。屋根の強度に懸念がある建物では補強が求められるケースがあります。勾配や設置スペースについては、設置計画上の条件として別に確認します。補強工事は、耐荷重の調査結果を踏まえて検討します。
設置スペースに余裕がある場合でも、建物の条件によっては、設置前の耐荷重調査や必要に応じた補強が求められるケースがあります。
折板屋根や陸屋根など、屋根材ごとの設置方法・防水対策は屋根に太陽光パネルを設置した場合、雨漏りのリスクはないのか?で解説しています。屋根材ごとの具体的な設置方法・防水対策について、あわせてご確認ください。
「うちの屋根に載せられるのか」への答えは、屋根の構造・築年数・耐荷重で変わります。設置可否の見立てや構造確認の進め方など、設計段階の疑問からご相談いただけます。