判断の要点
太陽光発電設備工事における「Engineering(設計)」は、シミュレーション設計からご提案、申請までを指します。「良い設計ができます」と言い切るためには、単なる図面作成だけではなく、次の一連の業務を一貫して対応できることが求められます。
| 業務 | 具体的な内容 |
|---|---|
| シミュレーションの実施 | 発電量や自家消費量のシミュレーション |
| 設計能力 | 太陽光発電設備や電気設備の設計 |
| 提案力 | シミュレーションや設計内容をもとにした、お客様ごとの条件に応じた最適な提案 |
| 許認可対応 | 設計内容に基づいた申請対応(電力会社への届け出、市区町村の役所への申請手続きなど) |
表のとおり、設計の範囲は図面の作成にとどまらず、発電量の見立てから申請までを含みます。これらを一貫して対応できてはじめて、「良いエンジニアリング=設計ができる」と言える状態です。
このうち設備設計の具体例として、太陽光パネルの設置枚数がどのような要件・計算方法で決定されるのかも、FAQで詳しく解説しています。
恒電社では、お客様の拠点における過去1年分の実際の日射量データベースを活用して発電量のシミュレーションを行っています。また、過去40年分の平均日射量をもとにしたシミュレーションも併用しています。
ただし、シミュレーションの正確性・確度に対する考え方は、EPC事業者によって異なると考えられます。たとえば、シミュレーション上は本来「100」発電するという結果が出ていても、それをそのまま「100発電します」とお伝えすると、少しでも下回ったときに「話が違う」という受け止めにつながります。そこで恒電社では、あえて「80」程度と控えめな数値で提示しています。
このやり方は、他社とシミュレーション結果を比較された際に数字が低く見えるため、恒電社にとって有利とは言えません。それでも、お客様に誤解や失望を与えないことを優先しています。埼玉県に拠点を構え、地域のお客様と直接仕事をしてきた会社として、売ったら終わりではなく、継続的にお互いが支え合い発展する関係を前提にしているためです。
使っている元のデータはどの企業も同じであり、使用する数式も共通です。それでも、導き出される結果には大きな違いが生まれます。そのため、提示された発電量の数字だけを並べても、前提が異なれば同じ条件での比較にはなりません。
複数のEPC事業者を比べるときは、数字の大小だけでなく、その値がどのような前提で提示されたものかを確認してください。業者選びの観点は、【法人向け】埼玉県の“自家消費型太陽光発電”導入事例集|お客様が業者を選ぶ“本当”の理由とは?でも取り上げています。
許認可の申請には一定のノウハウが必要です。設備の種類や導入方式によって、必要となる申請の相手先も内容も変わります。
| 申請・届け出 | 必要になる主なケース |
|---|---|
| 建築確認申請 | ソーラーカーポートを設置する場合 |
| 固定価格買取制度(FIT)の認定申請(経済産業省) | 売電を伴う発電設備の場合 |
| 電力会社への申請・届け出 | 自家消費型太陽光発電を導入する場合 |
| 市区町村の役所への申請手続き | 設計内容に基づいて必要となる場合 |
表のとおり申請先は一つではなく、想像される以上に複雑な申請プロセスが存在します。ソーラーカーポートについては、ソーラーカーポート設置の際に必要な許可や法規制にはどのようなものがあるかのFAQもあわせてご覧ください。
また、たとえばソーラーカーポートの建築確認申請では、申請書の「出し方」にもテクニックが存在します。
恒電社には「申請プロセス表」があります。ある設備の申請をする場合に「これとこれとこれが必要だ」という一覧があり、恒電社では、そのプロセスの中でお客様の捺印が必要となるタイミングも事前に把握しています。
そのため、捺印を都度お願いするのではなく、最初にまとめて必要書類を提示する形をとっています。事前に必要書類をすべて洗い出してお渡しし、一括して捺印をいただくことで、お客様がストレスなく太陽光発電設備を導入できるようにしています。企業様によっては、書類にご捺印いただく際に社内での手続きを必要とするケースも少なくないためです。
こうしたノウハウは、恒電社が以前から売電の太陽光発電設備を多数手がけてきた実績と、電気工事の中で電力会社との申請や協議のやりとりを長年続けてきた背景から蓄積されたものです。
申請の全体像は、太陽光発電設備の導入前に必要な「申請」の解説記事にまとめています。
――保守的なシミュレーションには、デメリットもありますか?
ただしこのやり方は、他社とシミュレーション結果を比較された際、数字が低く見えるため、恒電社にとっては決して有利とは言えません。
――申請ノウハウとは、具体的にどういったものですか?
例えば、ある設備の申請をする場合には「これとこれとこれが必要だ」という一覧があります。そして、そのプロセスの中で、お客様の捺印が必要となるタイミングも事前に把握しています。
――なぜ、そのようなノウハウがあるのですか?
さらに、カスタマーサポート担当者のスキルも大きいです。CSは過去にやったことのない申請でも、周囲に情報を集めながらゼロから形にしていく力を持っています。
恒電社では、自家消費型太陽光発電のEPCとして、シミュレーションから設備・電気設計、ご提案、設計内容に基づく申請対応までを一貫して担っています。必要書類への捺印を都度お願いする負担を減らす段取りまでを、設計の一部と考えています。
生成AIでも、申請書の作成自体は不可能ではありません。ただし申請は一回出して終わりではなく、たとえば東京電力と経済産業省に申請する場合、それぞれに異なる提出タイミングや対応部署があり、バトンを渡すように順次処理を進めていく必要があります。この流れを把握していないと、処理に非常に時間がかかってしまいます。
経済産業省が申請のマニュアルを出していますが、内容はざっくりしたもので、全国の電力会社に共通する事項が記載されたものです。実際には、電力会社によって同じ申請でも名称が微妙に異なります。こうした違いへの対応も含めて、申請のテクニックの一部です。詳しくは導入前に必要な「申請」の解説記事をご参考ください。
太陽光発電のシミュレーション精度は高いと考えています。地球の気候がそこまで大きく変わらないため、雨が多いと感じる年があっても、年間を通して見れば日射量に大きな変動はありません。そのわずかな変動は「安全率」が吸収します。
「うちの屋根に載せられるのか」への答えは、屋根の構造・築年数・耐荷重で変わります。設置可否の見立てや構造確認の進め方など、設計段階の疑問からご相談いただけます。