判断の要点
太陽光パネルの設置角度や設置場所によって、反射の仕方は変わります。屋根より高い建物が周囲にない場合は通常どおりの設置で問題なく、ある場合は設計段階で配慮し、必要に応じて相手方へ説明するという対応になります。
建物の屋根上に設置する場合は、太陽が東から昇り、南を経て西に沈むという基本的な動きを踏まえて検討します。確認するのは、設置する屋根よりも高い建物が東・南・西側にあるかどうかです。該当する建物がある場合は、反射光がどの時間帯にどの方向へ向かうかをシミュレーションし、必要であれば事前に調整や対策を行います。
こうした確認は、設備の配置や構成を決める設計の工程に含まれます。設計そのものの中身は太陽光発電の「Engineering(設計)」とは何かの解説で紹介しています。
関東地域では、太陽が最も高いときで約80度になります。通常、パネルは30度程度の傾斜で設置するため、パネルを50度以上の急傾斜で設置しない限り、屋根より低い建物に光が当たる可能性は低いです。
パネルを載せたときの見え方が気になる場合は、太陽光パネルの設置による建物の外観・デザイン性への影響もあわせてご確認ください。
北勾配(北向き)の屋根に設置した場合、太陽との位置関係で反射光が建物の下側へ行きやすくなり、トラブルに発展するリスクが高まります。恒電社では、北向きの屋根には原則としてパネルを設置しない方針を徹底しています。
屋根の向きや形状は、設置の可否そのものに関わる条件です。向いていない屋根の考え方は埼玉県の事例から分かる、屋根上太陽光発電に“向いていない”屋根の解説で紹介しています。
屋根より高い建物が隣接する現場では、時間帯によってその建物へ反射光が届くことがあります。この場合は、専用ソフトやシミュレーションを用いて、反射の発生時刻と影響範囲を確認します。
確認した結果をもとに、お客様と相談したうえで、反射光が当たる建物の関係者へ事前に説明し、理解を得るようにしています。
那覇空港の案件では、管制塔へ反射光が届く時間帯が確認されたため、管制側へ説明し、正式に許可を得ました。この案件は航空業界のMRO Japan様が自家消費型太陽光発電を導入した事例として紹介しています。
反射光への配慮の考え方は、環境省「太陽光発電の環境配慮ガイドライン」(2020年3月)にも整理されています。同ガイドラインが反射光の影響を検討すべきケースとして挙げているのは、次のような場合です。
いずれの場合も、懸念があれば施工店等に依頼してシミュレーションを行うことが推奨されています。より詳しい算出方法は環境省の資料(PDF)でご確認いただけます。
反射光以外の周辺環境への影響については、太陽光パネルの設置が周辺環境に及ぼす影響の解説で扱っています。
――北向きの屋根にパネルを設置しないのはなぜですか?
北向きに設置した場合、太陽との位置関係で反射光が建物の下側へ行きやすいため、トラブルに発展するリスクが高まります。当社では北向きの屋根には原則としてパネルを設置しない方針を徹底しています。
――屋根より高い建物が近くにあった現場では、どのようなことが起きましたか?
東側に大きなビルがあるケースでは、西日の時間帯にそのビルに反射光が当たることがあります。
――反射光が届くと分かった場合、その後はどう進めるのですか?
その場合、最終的にはお客様と相談の上、反射光が当たる建物の関係者に対して、「何月の何時から何時まで、どのような反射が生じる可能性があるか」を事前に説明し、理解を得るようにしています。
恒電社では、設計段階で周囲の建物の高さと方角を確認し、必要に応じてシミュレーションと関係者への事前説明までを行ったうえで工事を進めています。
そもそも工場周辺に高層ビルが建っているケース自体があまり多くないため、反射が原因となるトラブルは非常に稀です。そのうえで、該当する立地かどうかは案件ごとに確認します。
見送りが前提になるわけではありません。屋根より高い建物がある場合は設計段階で配慮し、必要に応じて相手方に説明を行うという対応になります。那覇空港の案件のように、事前の説明を経て正式に許可を得たうえで進めた例もあります。
反射が生じる時刻と影響範囲は、専用ソフトやシミュレーションで確認できます。環境省のガイドラインでも、懸念がある場合は施工店等に依頼してシミュレーションを行うことが推奨されています。
雷・台風・地震などへの備えは、設置方法と施工品質でほぼ決まります。リスクを設計にどう織り込むか、気になる点からご相談いただけます。