太陽光FAQ

太陽光発電の仕組みは?光から電気が生まれる原理をわかりやすく解説

作成者: 岩見啓明|Jul 3, 2026, 11:11:15 AM

A. 太陽光パネルを構成する「太陽電池セル」が光を受けて直流の電気を発生させ、それをPCS(パワーコンディショナ)で交流に変換したうえで、施設内の設備へ届けます。

判断の要点

  • 発電から施設内で使われるまでは「光を当てる→電子が動く→電気が生まれる→PCSで交流に整える→変圧器で昇圧→高圧受変電盤(キュービクル)→施設内の負荷」の7段階
  • 太陽電池セルはp‑n接合シリコン半導体を主材料とし、光起電力効果によって直流の電気(DC)が生まれる
  • セルを60〜72枚直列につないだものが1モジュール(パネル)で、1モジュールの電圧はだいたい30〜40V。さらに直列につなぐと600〜1,500Vほどの高電圧になる
  • 屋根上に設置するパネルの規格は、屋根への支持点数・運搬や設置の効率性・安全面・屋根にかかる負担で選び方が変わる

発電した電気が施設内の設備に届くまでの7ステップ

太陽光発電システムが電気をつくり、施設内で使われるまでの流れは次のとおりです。

  1. 光を当てる
  2. 電子が動く
  3. 電気が生まれる
  4. PCSで直流から交流に整える
  5. 変圧器で高圧へ昇圧する
  6. 高圧受変電盤(キュービクル)へ送られる
  7. 施設内の負荷(コンセントなど)へ送られる

この7段階から読み取れるのは、パネルで生まれるのが直流の電気であり、施設内の設備に届くまでのあいだに「交流への変換」と「昇圧」という2つの工程が挟まる点です。以降で各段階を順に説明します。

太陽電池セルが電気をつくる原理(p‑n接合と光起電力効果)

太陽光パネルには、15cm角前後の薄い板がびっしり並んでいます。これらは「太陽電池セル」と呼ばれ、p‑n接合シリコン半導体を主材料としています。

p‑n接合シリコン半導体は、光が当たると外部回路へ電流を送り出す太陽電池セルの心臓部です。プラス(p型)とマイナス(n型)に電気特性を調整したシリコンを貼り合わせ、境目に内部電場を持たせた半導体で、p型はホウ素、n型はリンなどを微量添加して形成されます。

太陽電池セルは、光が当たると「光起電力効果(ひかりきでんりょくこうか)」という仕組みで電気をつくります。これは、光を受けたときに「電子(でんし)」と「正孔(せいこう)」が分かれ、それぞれ別の方向に動くことで、電気が流れる現象です。

電子はマイナス極へ、正孔はプラス極へ向かい、その結果セルの中に電圧が生まれて、直流の電気(DC)が発生します。太陽の光が強いほど、たくさんの電子がつくられるため、発電量も増えます。

セルからモジュールへ:電圧はどこまで上がるのか

太陽電池セルを60〜72枚直列につなげると「1つのモジュール(パネル)」になります。1モジュールでだいたい30〜40Vの電圧が出ます。これらをさらに直列につなげると、600〜1,500Vほどの高電圧になります。

この図から読み取れるのは、1枚の小さなセルが集まって1枚のモジュール(パネル)になり、そのモジュールをつなげてさらに大きなまとまりになるという、大きさと単位の関係です。

何枚のパネルをどのようにつなぐかは設計で決まります。設置枚数の決め方は太陽光パネルの設置枚数は、どのような要件や計算方法で決定されるのか?で解説しています。

パネル規格(ハーフカットセル・72セル・54セル)の違いと屋根上での選び方

最近は、1枚が約15cm×8cmの「ハーフカットセル」がよく使われています。このタイプだと、120セルや144セルのパネルが主流です。

恒電社が屋根上で採用することが多いのは、60セル規格のパネルサイズに大判の高効率セルを使用した、54セルサイズのモジュールです。54セルのパネルのほうが、お客様にとって有利な設計になりやすいためです。判断材料になるのは次の観点です。

  • 屋根への支持点数
  • 運搬・設置の際の効率性
  • 安全面
  • 屋根にかかる負担

これらの観点から、屋根上設置では大判パネルを第一候補にはしていません。屋根以外の設置形態については、ソーラーカーポートを導入した埼玉県の製造業がソーラーカーポートを設置した理由は“脱炭素”と“人材採用”の合致もあわせてご覧ください。

直流を交流に変えるPCS(パワーコンディショナ)の役割

直流のままでは一般的な設備は使えないため、PCS(パワーコンディショナ)で交流に変換したうえで屋内へ送ります。PCSは、太陽光パネルがつくった直流を交流に変換する装置です。

PCSの中ではスイッチが高速で動いて直流を波の形に刻み、フィルターで滑らかな交流に整えます。

HUAWEI社のPCS:SUN2000-50KTL-JPM0

この写真は、直流を交流に変換するPCSの外観例です。

昇圧して高圧受変電盤(キュービクル)から施設内の負荷へ

交流に整えられた電気は、その後、変圧器で昇圧し、高圧の受電盤(キュービクル)に送られ、モーターや空調などの負荷へ流れていきます。

こうして作られた電気を自社の工場や施設でそのまま使うのが「自家消費型太陽光発電」です。そのしくみや導入メリットについては、【基礎】自家消費型太陽光発電とは?埼玉県の導入事例から知る、工場に導入する“リアル”なメリットを紹介でも詳しく解説しています。

現場担当者の視点(事業部長 折原への取材より)

――屋根上に設置する場合、どの規格のモジュールを採用していますか?

当社では、54セルサイズのパネルを採用することが多いです。60セル規格のパネルサイズで大判の高効率セルを使用しているモジュールです。

――大型のパネルは、どのような設置場所に向くのでしょうか?

72セル(ハーフだと144セル)のパネルは長さ2mを超える大型のため、屋根上よりも野立てやソーラーカーポートに向いているといえます。

恒電社では、屋根への支持点数や運搬・設置の効率性、安全面、屋根にかかる負担を踏まえてパネル規格を選定し、自家消費型太陽光発電の設計から施工までを担当しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 発電量は天候や時間帯によって変わりますか?

太陽の光が強いほど、セルの中でたくさんの電子がつくられるため、光の強さによって発電量は変わります。天候不良時や夜間の発電量については、天候不良時や夜間には、太陽光パネルの発電量はどのように変化するのか?で解説しています。

Q2. 発電した電気が施設内で使いきれない場合はどうなりますか?

本記事で説明した流れは、発電した電気を施設内の負荷で使う場合のものです。施設内で使いきれない電気の扱いに関わる用語は、逆潮流とは?で解説しています。

Q3. 自家消費型と売電型では、発電した電気の使い道はどう違いますか?

本記事で説明したのは、発電した電気を自社の工場や施設でそのまま使う自家消費型の流れです。売電型との違いは、売電型太陽光発電と自家消費型太陽光発電の違いとは?をご覧ください。

自家消費型太陽光発電の投資回収は、屋根の条件と電気の使い方で会社ごとに大きく変わります。恒電社では、御社の条件での概算シミュレーションから、社内で検討を進めるための材料づくりまでお手伝いしています。

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