ソーラーカーポートの設置工事にはどれくらいの期間がかかるのか?
A. 標準規模なら施工は6〜10日で終わりますが、10 kW超の場合は法定届出や連系手続きが加わり、引き渡しまで1〜3 カ月かかることが一般的です。
要約
工期の目安:
墨出しから試運転まで計11工程を連続で進めれば施工自体は6〜10日で完了します。ただし10 kW超の発電設備は使用前自己確認届の提出・審査と電力会社との連系試験が必須となり、書類作成と承認待ちを含めると最終引き渡しまで1〜3 カ月を見込むのが一般的です。
土木作業と段階施工:
屋根上設置と違い、根切り・基礎・生コン打設など重機を使う土木工程が追加されるうえ、稼働中の駐車場では区画をゾーニングして順番に工事するため人員を増やしても短縮しにくい傾向があります。建築図面や検査済証を事前に用意しておくと設計・許認可が円滑化し、全体の工期を抑えやすくなります。
解説者
インタビュアー
ソーラーカーポートの設置工事の期間
━━━ソーラーカーポートの設置工事にはどれくらいの期間がかかりますか?
ケースによりますが、だいたい6日から10日ほどです。ソーラーカーポートの工程には、決まった流れがあります。
- 墨出し
- カッター入れ
- 根切り(掘削)
- 捨てコン打設
- 位置出し
- 組み立て
- 生コン打設
- パネル設置
- 電気配線
- システム設定
- 試運転
上記11ステップを完了するのに、だいたい6日から10日ほどとなります。また、電力会社との契約の手続きは、工事完了までに全て終わっています。工事完了後は、10KW以上の太陽光発電システムの場合は、使用前自己確認の届出の対象になっているため、その届出に関してさらに期間が必要となります。
まとめると、10KW以上の大きいサイズの太陽光発電の場合、施工と届出作業を合わせて1~3ヶ月ほどで引き渡しとなります。ただし、期間は太陽光パネルの設置規模によって変動します。
屋根上太陽光発電とソーラーカーポートの施工期間の違い
━━━屋根上の太陽光発電とソーラーカーポートを比較して、設置完了期間における違いはありますか?
生コンクリートの打設前の工程が、屋根上の太陽光発電との施工における違いです。前段に土木工事が発生するため、屋根上の太陽光発電工事よりも時間を要します。
この土木作業に間しても、太陽光パネルの設置規模や場所によって、期間が変わってきます。
カーポートの土木工事では多くの重機を使用するため、一気に作業を進めるというよりは、状況に応じて段階的に対応する必要があります。つまりマンパワーだけで期間を短縮できるものでもありません。
また設置するカーポートの台数が多く、お客様がそのスペースに車を停めている場合も、以前もお伝えしたとおり*、区分けして作業を順番に進める必要があります。そのため、工期を大幅に短縮するのは難しい可能性があります。
━━━工事の際は、従業員の方が普段利用している駐車スペースを使うことになると思いますが、車両移動がネックになることはありませんか?
おっしゃる通りです。施工エリアが従業員用駐車場として日常的に使われている場合、工事中の駐車スペースの確保が大きな課題になります。そのため、恒電社では駐車区画をグループ分け(ゾーニング)して、段階的に工事を進める方式を取っています。
たとえば、「グループAの従業員の方は、今後2週間はこのエリアに駐車できません」といったかたちで、利便性を損なわずに施工スケジュールを調整する工夫をしています。
実際に72台分のソーラーカーポートを設置した際には、3つのグループに分けて工事を進めました。ご不便をおかけすることもありましたが、従業員の皆様にもご協力いただきながら、無事完了しました。
━━━恒電社がソーラーカーポートを施工できるのは、土木工事にも対応可能な体制があるためですか?
当社にも知見はございますが、対応可能な協力会社がいらっしゃいますので、そちらに委託しています。
━━━少しでも施工期間を短くするために、お客様側で何かできることはありますか?
建築図面や建物の検査済証をご準備いただければ、比較的スムーズに設計計画へと進めるかと思います。
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