ソーラーカーポートのメンテナンスは、どのように実施すべきか?
A. セルフ清掃は避け、年1回以上の専門業者点検と純水洗浄、発電モニターと目視による日常チェックを行えば、発電性能と安全性を長期維持できます。
要約
パネル清掃は専門委託で:
水道水のカルキ残渣やブラシ傷は発電低下の原因になるためセルフ洗浄は避け、年次点検で汚れを確認後に純水高圧洗浄を専門業者へ依頼するのが基本です。日々は発電モニターで出力曲線を監視しログを蓄積、急落時は汚れ・影・機器故障を疑い即座に業者へ連絡して発電損失を最小化することで、BCPにも寄与します。
年次点検と日常点検で長寿命:
少なくとも年1回、専門業者が発電量測定・配線端子緩み・支柱サビ・パワコン健全性を詳細診断して早期修繕につなげられます。さらに台風後や車両通行時には支柱曲がりや配線損傷、落葉堆積を目視確認し、錆や塗装剥がれは早期補修が必要です。小さな異常を潰すことで構造耐久性と発電安全性を20年以上保ち、長期安定運用を実現することができます。
解説者
インタビュアー
ソーラーカーポートのメンテナンス方法
━━━ソーラーカーポートのメンテナンスはどのようにすれば良いですか?
ソーラーカーポートは、定期的なメンテナンスを行うことで、発電性能と安全性を長期間維持できます。他の太陽光発電設備と比べて特別難しい作業はありませんが、いくつかの重要なポイントがあります。
太陽光パネルの清掃
パネル表面にホコリや落ち葉、鳥のフンなどがたまると発電量が低下する原因になりますが、一般のご家庭での水道水を使った清掃は推奨されていません。水道水にはカルキ(塩素化合物)が含まれており、乾燥後に白く固着してしまい、かえって発電効率を下げる恐れがあるからです。
また、柔らかいブラシであっても摩擦でパネルに微細な傷がつく可能性があるため、ご自身での清掃は避け、必要に応じて専門業者に依頼することが原則です。
実際の運用では、年次点検の際に専門業者が汚れの状態を確認し、洗浄が必要と判断された場合のみ、専用の純水や洗浄液を使用して、高圧洗浄機などを用いて洗浄します。
設備点検
年に1回程度、専門業者による定期点検を受けることを推奨します。点検内容は以下の通りです。
- パネルの発電状態確認
- 配線や接続部の緩み・劣化の確認
- 架台や支柱のサビ・ボルトの緩みチェック
- パワーコンディショナの動作確認(電子機器のため専門的な確認が必要)
定期点検を通じて、不具合の早期発見・修理が可能となり、トラブルの予防につながります。
発電モニターの確認
自家消費型太陽光発電システムには、発電量モニターや「見える化」システムが搭載されていることが多く、日頃から発電量のチェックを習慣化することが大切です。
発電量が著しく低下している場合は、パネルの汚れ、影の発生、機器の故障などの可能性があるため、原因を確認し、必要に応じて業者に相談することを奨励します。
その他の日常点検
カーポート下は駐車場として使用されるため、車の出入り時に支柱や配線の異常がないか、目視で確認すると良いでしょう。
特に台風や強風の後には、飛来物による損傷や落ち葉の堆積がないかをチェックし、早期に対処することが重要です。また、架台にサビや傷を見つけた場合は、早めに補修・塗装を行うことで設備寿命の延長が期待できます。
━━━屋根上設置の太陽光発電とソーラーカーポートでメンテナンス方法、何か違いありますか?
いえ、同じです。詳しくは「太陽光発電設備のメンテナンスは、どの程度の頻度と費用が必要なのか?」をご参考ください。
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