判断の要点
太陽光発電設備を設置・運用するには、電力会社や経済産業省への申請が必要です。設計に関連する申請は主に次の2種類で、基本的にはお客様からご発注いただいた後に行います。
申請方法は工事の種類によって異なりますが、多くは電子申請やメールで行います。指定された申請書類に必要事項を記入し、必要書類を添付して送付するという形が一般的です。申請を適切に行わなければ、太陽光発電システムの設置や運用はできません。
申請は、設計(Engineering)に含まれる業務の一つです。EPC事業全体での位置づけは「太陽光発電のEPC事業とは?」、設計工程そのものの中身は太陽光発電の「Engineering(設計)」とは何なのかで解説しています。
電力会社への申請は、一般に次の順に進みます。
この順序のとおり、接続検討の回答を受け取ってから接続契約のお申込みに進みます。工事の種類によって様式や提出物は変わるため、最新の手続きは資源エネルギー庁「系統接続について」をご確認ください。
ただし、逆潮流(発電した電気を電力会社の系統へ流すこと)を行わない自家消費目的の設備では、この流れが短くなる場合があります。東京電力パワーグリッドの系統アクセスルール[高圧・低圧版](2021年7月1日改定)では、自家消費を目的とした逆潮流なしの発電設備等を新設・変更する場合、接続検討の申込みと回答(上記2・3)は省略可能と定められています。
完全自家消費の計画では、この省略が使えるかどうかでスケジュールが変わります。ルールは一般送配電事業者ごとに定められているため、他エリアでは各社の系統アクセスルールをご確認ください。
経済産業省への申請とは、FIT(固定価格買取制度)またはFIP(市場連動型の制度)で売電する場合に必要な「事業計画認定」を指します。完全自家消費のみで売電を行わない場合は、原則として不要です。ただし個別の設備構成によって扱いが異なるため、案件ごとの確認が欠かせません。
売電型と自家消費型では、必要になる手続きの範囲が変わります。両者の違いは売電型と自家消費型の違いもあわせてご確認ください。認定の最新の要件は資源エネルギー庁「新規認定申請」に掲載されています。
特に余剰売電を伴う発電システムを導入する場合、最大で3か所への申請が必要になるケースもあります。たとえば東京電力では「東京電力エナジーパートナー(小売)」と「東京電力パワーグリッド(送配電)」に分かれており、それぞれに申請が必要です。ここに、固定価格買取制度(FIT)を利用する場合の経済産業省への申請が加わります。
出力50kW以上の太陽光発電設備は、電気事業法上「自家用電気工作物」に区分されます。この場合、電力会社・経済産業省への申請とは別に、電気主任技術者の選任届出、保安規程の届出、使用前自己確認結果の届出などの手続きが必要です(経済産業省「太陽電池発電設備を設置する場合の手引き」)。
手続きの要否は設備規模によって変わるため、個別の案件については所管の産業保安監督部または電気主任技術者へご確認ください。恒電社が代行するのは電力会社・経済産業省への申請であり、選任された電気主任技術者が担う保安管理業務は含みません。
「いつ発注すれば、いつ工事に入れるのか」を逆算するには、手続きごとに定められた検討期間と、認定にかかる期間の目安を知っておく必要があります。次の表は、東京電力パワーグリッドの系統アクセスルール[高圧・低圧版](2021年7月1日改定)と、資源エネルギー庁が示す事業計画認定の目安をまとめたものです。
| 手続き | 定められた期間・目安 |
|---|---|
| 事前相談(任意) | 受付から原則1か月以内に検討結果を回答 |
| 接続検討 | 申込みから原則3か月以内の検討期間(逆変換装置を用いる発電機出力500kW未満の発電者側の検討期間は2か月以内)。検討終了後すみやかに回答 |
| 契約申込み(接続契約) | 受付から原則6か月、または協議して合意した期間の「供給対策検討期間」 |
| 事業計画認定(FIT・FIP) | 申請から認定まで3か月程度(10kW未満の太陽光は2〜3か月程度)。書類に不備がある場合を除く。50kW未満の太陽光は、代行事業者が申請した場合に事業者の「承諾」が確認されてから審査が始まる |
4つの期間は、性質が同じではありません。事前相談は回答までの期間、接続検討と契約申込みは検討に要する期間で、検討が終わったあとにすみやかに回答・通知が行われます。事業計画認定は申請から認定までの目安です。そのため表の数字を足しても、工事に入れる日が決まるわけではありません。
順序にも制約があります。FIT・FIPの事業計画認定を取得するには、電力会社が連系承諾のときに発行する「接続の同意を証する書類」を事業計画に添付することが必須です。系統側の手続きが認定の前提になるため、FIT・FIPを利用する案件ではまとまった期間を見込んでおく必要があります。
もう一つ気をつけたいのが、接続検討の回答からの経過期間です。東京電力パワーグリッドは、接続検討の回答日から1年を経過した契約申込みは受け付けないとしています(選定事業者による契約申込みを除く)。社内の検討が長引いて期限を越えた場合にあらためて必要となる手続きは、申請先へご確認ください。
申請書のフォーマットを埋める作業自体は、それほど負担ではありません。負担が大きいのは、その申請の前提を整える作業です。申請を行う前には、次のような情報整理が必要になります。
「自家消費+余剰売電」や「自己託送(遠隔地からの送電)」「既設の設備の一部のみ更新」など、お客様のニーズは多様化しています。増え続けるスキームに対して必要な情報が体系的に整理されていないため、案件ごとに関係各所へ確認をとり、正確な前提情報を揃える必要があります。
発注より前の段階で準備できることは、太陽光発電設備をスムーズに導入するために、発注前に準備すべきことのFAQで解説しています。
恒電社では、電力会社・経済産業省への申請を一括で代行しています。お客様側から見たメリットは、次の3点です。
審査に時間を要する工程については、提出タイミングや必要時期をあらかじめご案内し、急な依頼や抜け漏れを防ぐ体制を整えています。「次に何があるのか」「自社がいつ、何を提出すべきなのか」が明確になることで、計画的なプロジェクト進行が可能になります。
導入を任せる相手を選ぶ観点は、お客様が業者を選ぶ“本当”の理由でも取り上げています。
――申請の準備で、最も負担が大きいのはどこですか?
本当に大変なのは、その申請の“前提”を整える作業です。
――なぜ、案件ごとに関係各所へ確認する必要があるのですか?
変化の激しい業界であり、増え続けるスキームに対して、必要な情報が体系的に整理されていません。そのため、案件ごとに関係各所に確認をとり、正確な前提情報を揃える必要があります。
――お客様へご案内する情報の正確さは、どのように担保していますか?
我々がご案内する内容に少しでも誤りがあれば、それだけで信頼を損なうことにつながります。だからこそ、必ず事前に確認を重ね、お客様が混乱しないように情報を整理し、分かりやすくご案内するように努めています。
恒電社では、自家消費型太陽光発電のEPC(設計・調達・施工)の一環として申請業務を担っています。案件ごとに前提を固めたうえで、書類と進捗をあわせてご案内する進め方をとっています。
電力会社の接続検討回答書には有効期限(目安1年、電力会社により異なる)が設けられており、期限を超えると再度の接続検討が必要になる場合があります。申請から契約までのスケジュール管理が重要な理由の一つです。
各電力会社や省庁ごとに、ルールや様式は異なります。そのため恒電社では事前準備を徹底し、必要な情報・資料を漏れなく整えた上で申請を行っています。
手続きごとに、検討期間や認定の目安が定められています。東京電力パワーグリッド管内では、接続検討の検討期間が原則3か月以内、契約申込み後の供給対策検討期間が原則6か月(または協議して合意した期間)です。FIT・FIPの事業計画認定は、書類に不備がなければ申請から3か月程度が目安とされています。
これらは手続きごとの検討期間や認定までの目安であり、足し合わせた日数がそのまま工事着手日になるわけではありません。実際の期間は設備の規模や申請先によって変わるため、案件ごとに関係各所へ確認したうえでご案内しています。詳しくは本文の「申請ごとの標準的な所要期間」をご覧ください。
申請でつまずきやすいのは書類の記入ではなく、自社の計画がどのスキームに当たり、どの申請にどれだけ時間がかかるのかを見極める段階です。恒電社は自家消費型太陽光発電のEPC(設計・調達・施工)の一環として、電力会社・経済産業省への申請を設計・施工と一体で進めています。計画段階のスケジュールの見通しからご相談いただけます。