太陽光発電のEPC事業とは?

A. 「Engineering(設計)」「Procurement(調達)」「Construction(建設)」の3つを一貫して担う事業形態です。恒電社では、その後の保守まで含めて責任を持ちます。

判断の要点

  • 「設計」だけ、「調達」だけを担う企業も存在しますが比較的少数派で、典型的なのは「建設」だけを請け負う企業です
  • 設計には電気の知識やシミュレーションのノウハウが必要なため、対応可能な企業は限られていました
  • 日本の倉庫に1年以上保管された古い在庫品が届くことがあり、多くの製品は製造時点から保証が始まるため、購入前から保証期間が消化されます
  • 建設のゴールは、工事が完了し、完成図書などを含めた一式をお客様に引き渡すところまでです

太陽光発電のEPCとは|設計・調達・建設を一貫して手がける事業

EPCとは「Engineering(設計)」「Procurement(調達)」「Construction(建設)」の3つを指し、それらを一貫して手がける事業のことです。太陽光発電設備を手がける企業には、恒電社のようにEPCを一貫している企業と、そうではない企業があります。「設計」だけを担当する企業や「調達」のみを行う企業も存在しますが、それは比較的少数派で、典型的なのは「建設」だけを請け負う企業です。

一部分しか担わない企業がある理由は、設計の難易度にあります。太陽光発電設備の設計には、電気に関する知識やさまざまな専門的スキルが求められ、シミュレーションを行う能力やノウハウがなければ対応できません。そのため、これまでは対応可能な企業が限られていました。

かつては自家消費型太陽光発電のシミュレーションを提案できる企業もごくわずかでしたが、シミュレーションツールが多数登場し、どの企業でもある程度は対応できるようになってきています(時期の表現は取材時点を基準としています)。

Engineering(設計)|シミュレーション・設計・提案・申請の4業務

設計の中身は、シミュレーション設計から提案、申請までです。「良い設計ができます」と言い切るためには、単なる図面作成だけではなく、次の一連の業務を一貫して対応できることが求められます。

業務 具体的な内容
シミュレーションの実施 発電量や自家消費量のシミュレーション
設計能力 太陽光発電設備や電気設備の設計
提案力 シミュレーションや設計内容をもとにした、お客様ごとの条件に応じた最適な提案
許認可対応 設計内容に基づいた申請対応(電力会社への届け出、市区町村の役所への申請手続きなど)

表のとおり、設計の範囲は図面の作成にとどまりません。これらを一貫して対応できてはじめて、「良いエンジニアリング=設計ができる」と言える状態です。

設計の中身は、太陽光発電の「Engineering(設計)」とは何なのか?で個別に解説しています。

Procurement(調達)|保証期間と納期を左右する在庫の見極め

調達は、太陽光パネルやパワーコンディショナーなど、太陽光発電設備で使用するすべての材料を調達する業務です。たとえば太陽光パネルを固定するための金具には、ボルトやワッシャーなどが必要で、それぞれ必要な数が決まっており、足りないものがあれば個別に調達します。

調達のスキルが優れているとは、各プロジェクトにおいて最適な形で調整・最適化する力があることです。品質面では、たとえばある商社からパワーコンディショナを1台発注すると、中国で製造され、日本の倉庫に1年以上保管されていた古い在庫品が届くことがあります。

多くの製品は製造時点から保証がスタートするため、古い在庫品が届くと、購入前から保証期間が消化されている状態になります。仮に古いものが届いた場合はメーカーに保証期間延長の交渉をしますが、可能な限り新しい製品を調達できるよう、複数の商社と連携を図っています。新旧の判断は推測ではなく経験値によるもので、商社ごとの在庫状況や価格、納期を加味しながら調達先を選定します。

納期も在庫の持ち方に左右されます。太陽光発電設備の納期は契約上動かせない一方で、商社が国内にどれだけ在庫を持っているかが納期に直結します。在庫があれば即出荷できますが、なければ中国から取り寄せる必要があり、中国の春節などのタイミング次第では大きく遅れることもあります。そこで恒電社のカスタマーサポートチームが「いつまでに何枚必要か」「いつ出荷可能か」を日々調整しています。

こうした調整ができる背景には、恒電社が以前「KODENエナジーバンク」という、自社で輸入もできる商社を運営していた経緯があります。商社や輸入の裏事情も熟知しているため、現在の商社とのやりとりもスムーズです。カスタマーサポートチームのマネージャーも、この商社で調達に携わっていた担当者です。

調達の実務は、太陽光発電の「Procurement(調達)」とは何をするのか?で詳しく解説しています。

Construction(建設)|搬入計画から引き渡しまでを「プロジェクト」として管理する

「Construction(建設)」は、調達の後工程すべてを含みます。具体的には、納期や納品場所の調整、現場への搬入計画などで、「この大きなトラックが道幅に入れるか」といった判断も含まれます。定義としては、搬入までを「調達」とし、搬入後からが「建設」です。建設のゴールは、工事が完了し、完成図書などを含めた一式をお客様に引き渡すところまでです。

恒電社が「Construction(建設)」で特に重視しているのは、太陽光発電設備の導入を「工事」としてではなく、「プロジェクト」という視点で見ることです。単なる施工管理というよりも、ITでいうところの「工程管理」や「品質管理」の意識に近いものです。

工事がきちんと進んでいるのかという不安を感じるお客様は少なくありません。その不安を工事中に取り除くことも、大切な仕事の一部です。まずは計画内容をきちんと説明・可視化し、工事が始まったら毎週、進捗をまとめた報告書と写真を送って進行状況をお伝えします。

EPC一貫と分業の違い|週次の進捗報告ができるかどうか

「Construction(建設)」だけの業者であれば、「Engineering(設計)」「Procurement(調達)」が伴わないため、こうした週次報告やお客様への丁寧な対応がそもそもできません。だからこそ、EPCとして一貫して関わることに意味があります。

さらにお客様のことを考えると、EPCだけでなく、その先の「保守」が重要です。いろいろな会社とやり取りするよりも、一社にまとめた方が安心できるためです。保守の位置づけについては、太陽光発電のEPC事業者の選定における「保守」の重要性は?で解説しています。

現場担当者の視点(事業部長 折原への取材より)

――古い在庫品が届く可能性があるときは、どうするのですか?

その場合、「古いものが届く可能性があるから別の商社に変えよう」と判断するなど、商社ごとの在庫状況や価格、納期などを加味しながら、各プロジェクトに最も適した調達先を選定しています。

――なぜ、製品の新しさにこだわるのですか?

なぜなら、多くの製品は製造時点から保証がスタートしてしまうからです。倉庫に長期間眠っていた古い製品が届くと、お客様にとっては購入前から保証期間が消化されている状態になります。それは避けなければなりません。

――工事中のお客様は、どのような点を気にされていますか?

太陽光発電や電気工事の価値を考えると、お客様にとっては「最終的に発電できれば良い」ものであるはずです。しかし実際には「本当に工事がちゃんと進んでいるのか?」といった不安を感じているお客様も多くいらっしゃいます。

恒電社では、自家消費型太陽光発電のEPCとして設計・調達・建設を一貫して担い、引き渡し後の保守まで一社で対応しています。

解説者

折原 恭平
株式会社恒電社 エネルギーマネジメント事業部

折原 恭平

金融機関や信用調査会社での営業経験を経て2018年に恒電社へ入社し、法人営業を担当。2022年よりエネルギーマネジメント事業部長として営業・施工管理の管理者として組織改善に携わっています。

インタビュアー

原澤耀
合同会社HARAFUJI

原澤耀

合同会社HARAFUJI・COO。マーケティングを中心に、企業の戦略および戦術支援事業に従事。
2022年から恒電社のマーケティングも担当し、電気や太陽光発電のことを、各関連分野のエキスパートに直接ヒアリングをしながら、できる限り分かりやすい表現と専門的な視点の両立を重視した情報発信に取り組んでいる。

よくある質問(FAQ)

Q1. EPCは太陽光発電以外でも使われる言葉ですか?

はい。「EPC」は太陽光発電に限らず、建設・プラント業界全般で使われる略語で、設計・調達・建設を一括して請け負う事業形態全般を指します。本記事では、太陽光発電設備の導入における意味で解説しています。

Q2. EPCとO&M(保守・運用)はどう違いますか?

EPCは、太陽光発電設備の導入までの一連の工程を指します。一方のO&M(保守・運用)は引き渡し後の点検・保守を指し、対象となる時期が異なります。点検の内容や頻度は、太陽光発電設備のメンテナンスは、どの程度の頻度と費用が必要なのか?をご覧ください。

Q3. EPC事業者を選ぶ際に重視すべきポイントは?

提案内容の具体性、対応スピード、施工品質、そして導入後の長期保守体制まで一貫して任せられるかが重要な判断基準になります。実際に業者が選ばれた理由は、【法人向け】埼玉県の“自家消費型太陽光発電”導入事例集 | お客様が業者を選ぶ“本当”の理由とは?でも紹介しています。

この記事を書いた人

Iwami
株式会社恒電社

岩見啓明

恒電社ではマーケティング(動画、記事、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告)に加え、人事やインサイドセールスなど、事業部を横断して活動。個人では登録者数1万人超えのYouTubeチャンネルを運用した経験の他、SDGsの啓蒙活動で国連に表彰された経歴を持つ。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)、2024年に第二種電気工事士資格を取得。≫プロフィールはこちら

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  • 投資対効果
  • CO2の削減

まずは 発電シミュレーション から

発電シミュレーションと
導入後の発電量の比較 例
業種
食品流通業
条件
導入時期:2023年3月
パネル枚数:345枚
設備容量:143.175kW
パネル設置面積:680㎡
屋根面積:3,710㎡
発電シミュレーションと導入後の発電量の比較グラフの例 発電シミュレーションと導入後の発電量の比較グラフの例
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