判断の要点
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太陽光発電設備の撤去は、パネルや架台を解体して現場から搬出し、廃材を処分するまでを一続きで行う工事です。費用は次の要素で構成されます。
| 費用の区分 | 含まれる内容 |
|---|---|
| 解体作業 | 太陽光パネル・架台の解体 |
| 電気設備の取り外し | 配線、パワコン(パワーコンディショナ)の取り外し |
| 現場の安全管理 | 撤去作業中の安全管理にかかる費用 |
| 運搬 | 解体で発生した廃材の運搬 |
| 廃棄処理 | 廃材の廃棄処理 |
この表から分かるとおり、撤去費用は「現場で人が動く作業費」と「出てきたものを処分する費用」の二本立てです。設備の規模が大きいほど解体・運搬・処分の量が増え、撤去方法によって作業の手間も変わるため、金額は設備ごとに異なります。
撤去費用は、運用中に発生する点検・清掃の費用とは別に見込む必要がある費用です。運用中の費用については太陽光発電設備のメンテナンス頻度と費用で解説しています。
撤去した部材は、すべてを廃棄物として処分するとは限りません。部材ごとに次の選択肢があります。
| 部材 | 処理の選択肢 |
|---|---|
| 太陽光パネル | リユース業者にパネルそのものを販売する/専門業者にリサイクルを依頼する/適切に産業廃棄物として処分する |
| 架台 | 金属スクラップとして売却する(一般的な方法) |
| 配線 | 金属部分をリサイクルし、資源として有効活用する |
表のとおり、廃棄以外の出口がある部材ほど、処分費の負担を軽くできる余地があります。逆に、リユースもリサイクルもできない部材は、産業廃棄物として処分する費用がそのまま残ります。
太陽光パネルリサイクルの現在地は、太陽光パネルリサイクル事業を開始した企業へのインタビューコラムでも取り上げています。
企業がリサイクル・廃棄・売却のいずれを選ぶかは、どの程度の費用がかかるのかが大きな判断材料になります。次の順序で確認すると整理しやすくなります。
この順序で確認していくと、判断は部材ごとに分かれます。パネルは売却、架台は金属スクラップ、配線は金属部分のリサイクルというように、部材ごとに異なる方法を選ぶことも考えられます。
FIT(固定価格買取制度)またはFIP制度の認定を受けた10kW以上の事業用太陽光発電設備については、2022年7月から「廃棄等費用積立制度」が原則適用されています。仕組みは次のとおりです。
FIT・FIP認定を受けていない完全自家消費型の太陽光発電設備は、この積立制度の対象外です。売電を伴わない自家消費専用の設備を検討している企業様は、外部積立に頼ることができないため、自社で撤去・廃棄費用をあらかじめ見込んでおく必要があります。
2026年4月3日、多量に太陽電池を廃棄する事業者にリサイクル計画の届出等を義務付ける「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」が閣議決定され、同年5月29日に参院本会議で可決・成立しました(令和8年法律第33号、6月5日公布)。要点は次の3つです。
当初はメガソーラーなど大規模な事業用太陽電池を廃棄する事業者が主な対象とされており、中小規模・自家消費型設備への適用範囲は2026年7月時点では明らかになっていません。最新の制度内容は経済産業省の発表をご確認ください。
――再利用できる部材を売却して、撤去費用を軽減できますか?
特に、アルミや鉄などの素材で作られた架台は、金属スクラップとして高値で取引されることが多く、撤去費用を大幅に軽減することが期待されます。
――恒電社では、特定のリサイクル業者を案内していますか?
2025年4月時点では、特定のリサイクル業者をご案内することは行っておりません。というのも、これまでの間に耐用年数を迎え、大規模なリサイクルや売却を検討されたお客様がまだいらっしゃらないのが現状です。
――太陽光パネルの廃棄・リサイクルは今後どうなりますか?
ただし、FIT(固定価格買取制度)が2012年に始まり、今後2030年ごろからリパワリングも含めて太陽光パネルの廃棄やリサイクルの問題が国内でも大きく取り上げられることが予想されます。
恒電社は自家消費型太陽光発電システムを普及させる事業者として、この分野における新しい情報の取得と発信に努めていきたいと考えています。再資源化制度の詳細が明らかになり次第、対象となるお客様への情報提供を進めてまいります。
太陽光パネルの処理方法には、リユース業者にパネルそのものを販売する、専門業者にリサイクルを依頼する、適切に産業廃棄物として処分する、という選択肢があります。売却益や廃棄費用を含めたコスト全体を比較検討し、最も経済合理性のある方法を選択します。
FIT・FIP認定を受けていない完全自家消費型の設備は廃棄等費用積立制度の対象外であるため、自社で撤去・廃棄費用をあらかじめ見込んでおく必要があります。関連する内容は自家消費型太陽光発電の投資回収年数の試算方法、太陽光発電設備の設置が建物の耐用年数や保険料に与える影響もあわせてご覧ください。
制度の対象かどうかは認定の有無や規模によって異なります。詳細は資源エネルギー庁「廃棄等費用積立ガイドライン」をご確認いただくか、認定を取得された事業者様にお問い合わせください。