A. 規模や撤去方法によって異なります。解体や廃棄処分、人件費などを総合的に考慮しつつ、リサイクルや売却でコストを抑えられる可能性があります。
要約
撤去作業の内容とコスト要素:
太陽光発電設備の撤去には、パネルや架台の解体作業をはじめ、配線やパワコンの取り外し、さらに現場の安全管理にかかる費用、また廃材を運搬・廃棄処理する費用が含まれます。これらの作業費と処分費を総合的に考慮することで、撤去費用を把握することができます。
リサイクル・売却による費用軽減の可能性:
撤去した部材は、リサイクルやリユース(売却)によって撤去費用を軽減できます。特にアルミや鉄製の架台は金属スクラップとして高値で取引され、太陽光パネルも中古市場で売却可能な場合があります。これにより、撤去費用の全体を抑えられる可能性があります。
中小企業の判断軸と将来的な対応:
リサイクル、廃棄、売却の選択においては、「どのくらい費用がかかるか否か」を中心に、売却益や廃棄費用を比較し、合理的な方法を選ぶことが重要です。恒電社は現在、特定業者のご案内は行っていないものの、今後の市場ニーズを見据え、最適な解決策を提供できる体制を目指しています。
解説者
折原 恭平
インタビュアー
原澤耀
2022年から恒電社のマーケティングも担当し、電気や太陽光発電のことを、各関連分野のエキスパートに直接ヒアリングをしながら、できる限り分かりやすい表現と専門的な視点の両立を重視した情報発信に取り組んでいる。
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太陽光発電設備の撤去方法と費用
———耐用年数を過ぎた太陽光発電設備の撤去費用は、具体的にどのような作業やコストが含まれますか?
太陽光発電設備の撤去費用には、まずパネルや架台の解体作業をはじめ、配線やパワコンの取り外し、さらに現場の安全管理にかかる費用、また廃材を運搬・廃棄処理する費用が含まれます。
———太陽光パネルや架台など、撤去した後の部材の処理方法にはどのような選択肢がありますか?
撤去した部材の処理方法としては、いくつかの選択肢が考えられます。
例えば、太陽光パネルについては、リユース業者にパネルそのものを販売するか、専門業者にリサイクルを依頼するか、または適切に産業廃棄物として処分する方法などがあります。架台に関しては、金属スクラップとして売却することが一般的です。また、配線に関しては、金属部分をリサイクルすることで資源を有効活用することも可能です。
———様々な選択肢がある中で、企業はどのような判断軸を元に、リサイクル、廃棄、売却などを選んだら良いでしょうか?
企業がリサイクル、廃棄、売却のいずれかを選ぶ際の判断軸としてはやはり「どの程度の費用がかかるのか」が大きなポイントになるかと思います。
まずは、処分対象の部材が「リユースまたはリサイクルできないか」を確認することが第一歩です。
もし売却が可能であれば、もちろんなるべく高く買い取ってくれる事業者に売却できるように進めるべきでしょう。一方で、売却が難しい場合には、適切な処分をするために費用を支払う必要があります。
最終的には、売却益や廃棄費用を含めたコスト全体を比較検討し、最も経済合理性のある方法を選択することが重要です。
廃棄等費用積立制度による費用の担保
FIT(固定価格買取制度)またはFIP制度の認定を受けた10kW以上の事業用太陽光発電設備については、2022年7月から「廃棄等費用積立制度」が原則適用されています。毎月の売電収入からあらかじめ解体・処分費用相当額が源泉徴収的に控除され、調達期間(買取期間)終了前10年間にわたって外部(電力広域的運営推進機関)へ積み立てられる仕組みで、将来の撤去・廃棄費用の放置や不払いを防ぐことを目的としています。
FIT・FIP認定を受けていない完全自家消費型の太陽光発電設備は、この積立制度の対象外です。売電を伴わない自家消費専用の設備でご検討の企業様は、外部積立に頼ることができないため、自社で撤去・廃棄費用をあらかじめ見込んでおく必要があります。ご自身の設備が制度の対象かどうかは認定の有無や規模によって異なりますので、詳細は資源エネルギー庁「廃棄等費用積立ガイドライン」をご確認いただくか、認定を取得された事業者様にお問い合わせください。
恒電社の対応範囲
———実際に撤去される際、恒電社はどこまで対応してくれますか?リサイクル先や売却先などもご案内頂けますか?
2025年4月時点では、特定のリサイクル業者をご案内することは行っておりません。というのも、これまでの間に耐用年数を迎え、大規模なリサイクルや売却を検討されたお客様がまだいらっしゃらないのが現状です。
ただし、FIT(固定価格買取制度)が2012年に始まり、今後2030年ごろからリパワリングも含めて太陽光パネルの廃棄やリサイクルの問題が国内でも大きく取り上げられることが予想されます。
※追記(2026年7月):この予測のとおり、2026年5月に太陽電池廃棄物のリサイクルに関する新法が成立しました。詳細は本記事末尾の「最新動向」をご覧ください。
自家消費型太陽光発電システムを普及させる事業者として、この分野における新しい情報の取得と発信に努めていきたいとは考えています。将来的には、お客様にとって最適な解決策を提供できるような体制を整えることを目指しております。
撤去費用を軽減するために
———再利用可能な部材を売却することで、撤去費用を軽減することは可能でしょうか?
可能だと思います。
特に、アルミや鉄などの素材で作られた架台は、金属スクラップとして高値で取引されることが多く、撤去費用を大幅に軽減することが期待されます。また、リユース市場で太陽光パネルが売却できる場合には、さらに費用軽減の効果が大きくなることが考えられます。
【2026年7月追記】太陽光パネルのリサイクル制度化の最新動向
2026年4月3日、多量に太陽電池を廃棄する事業者にリサイクル計画の届出等を義務付ける「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」が閣議決定され、同年5月29日に参院本会議で可決・成立しました(令和8年法律第33号、6月5日公布)。
この法律により、政令で定める重量要件に該当する「多量事業用太陽電池廃棄者」は、廃棄の30日前までに重量・処理方法・実施時期などを記載した計画を主務大臣へ届け出ることが義務付けられます。施行は公布から1年6カ月以内とされていますが、対象となる重量要件や規模の詳細は今後、政令・省令で定められる予定です。当初はメガソーラーなど大規模な事業用太陽電池を廃棄する事業者が主な対象とされており、中小規模・自家消費型設備への適用範囲は本記事執筆時点では明らかになっていません。
恒電社では、この制度の詳細が明らかになり次第、対象となるお客様への情報提供を進めてまいります。最新の制度内容は経済産業省の発表をご確認ください。
この記事を書いた人
岩見啓明





