太陽光発電のEPC事業者の選定における「保守」の重要性は?

A. 施工から保守まで一貫して担い、人による点検でネジの緩みやセルグループ単位の不具合を早い段階で見つけることで、パネル飛散などの重大事故や発電ロスを防ぎ、製品保証を使った無償交換にもつなげられるためです。

判断の要点

  • 太陽光発電の業界では「EPCはするが、保守は専門会社に託す」という会社も少なくないのが実態です。窓口が複数に分かれることで問題が起こることもあります
  • 恒電社は人が屋根に上がる目視点検を基本とし、ネジ1本ごとに「アイマーク」という確認線を引いて、そのズレから緩みを確認します
  • ドローン点検は屋根に登らずコストを抑えられる一方、撮影されるのは主にサーモ(温度)画像で、ボルトやナットの緩みまでは確認できません
  • 太陽光パネルは1枚の中に3つのエリア(セルグループ)があります。1つが機能していない兆候を早期に見つけることが重要で、保証上の交換対象となるかは製品保証の基準で判断されます

施工と保守の窓口が分かれると何が起きるか

太陽光発電の業界では「EPC(設計・調達・建設)はするが、保守は専門会社に託す」といった会社も少なくないのが実態です。設計・施工を担う会社と、稼働後の点検を担う会社が別々になる形です。

ところが、太陽光発電に関する窓口を複数にすることで、問題が起こることもあります。保守を委託した会社との関係が続かなくなると、設備が今どのような状態にあるのかを把握できなくなるおそれがあります。

設備は長期にわたって稼働し続けるものです。お客様の立場で考えると、複数の会社とやり取りするよりも、窓口が一社にまとまっている方が手間もリスクも小さくなります。恒電社が施工から保守まで一貫して責任を持つ体制を重視しているのは、お客様に長期的な安心を提供するためです。導入した企業が発注先をどのような理由で選んだのかはお客様が業者を選ぶ理由をまとめた導入事例集でも紹介しています。

恒電社が人による目視点検を基本にする理由

恒電社の保守は、人が直接点検することを基本にしています。ネジ1本ごとに「アイマーク」という確認線を引いておき、点検時にそのズレを目視で確認して緩みがないかをチェックします。

引いた線がずれていれば、そのネジに緩みが生じている可能性があると分かります。確認の対象がネジ1本の単位まで下がることが、人による点検の特徴です。

ドローン点検との使い分け

ドローンを活用した点検を導入する同業他社も増えています。手法ごとに分かることが異なるため、恒電社では次のように整理しています。

点検の手法特徴と、分かること
人が屋根に上がる目視点検高所作業車などの設備を使って屋根に上がる。アイマークのズレから、ボルトやナットの緩みを確認できる
ドローンによる点検屋根に登らずに済み、コストが抑えられる。撮影されるのは主にサーモ(温度)画像

コストと確認できる範囲がトレードオフの関係にあることが読み取れます。サーモ画像ではパネルの割れなどはある程度分かるかもしれませんが、ボルトやナットの緩みといった細かな点までは確認できません。

そのため恒電社は目視点検を基本に置いたうえで、状況に応じてドローン点検を行う場合もあります。国家資格を持つドローン操縦士が在籍しており、両方の手法を使い分けられる体制です。

ネジの緩みを見逃したときのリスク

アイマークがずれていた場合、そのまま放置するとボルトが外れ、最悪の場合はパネルが飛散するリスクがあります。

パネルは通常4本のボルトで固定されていますが、2本が外れただけでも飛んでしまう可能性があります。強風時の挙動については太陽光パネルは強風で飛ばされる可能性があるのかもあわせてご覧ください。

飛散は、設備そのものの損害にとどまらず、人や周囲の建物に及ぶ事故につながりかねません。点検1回あたりの手間はかかりますが、恒電社が屋根に上がる方法を選んでいるのは、この種のリスクを目視で潰すためです。

セルグループ単位の不具合を早期に見つける

太陽光パネルは、1枚の中に3つのエリア(セルグループ)があります。

1枚のパネル(モジュール)が3つのセルグループに分かれていることが分かります。

不具合はパネル1枚まるごとではなく、このセルグループの単位で起きることがあります。「1つのセルグループが機能していない」という兆候を、点検で早期に発見できることが重要です。保証上の交換対象となるかどうかは、製品保証の基準に基づいて判断されます。

恒電社は、点検の際に異常を早期に見つけ、製品保証を活用して無償交換できるものはできるだけ早く交換する方針をとっています。発見が遅れるほど、発電ロスを抱えたまま稼働を続ける期間が長くなるためです。

早期発見を支える経験と、埼玉に常駐する保守体制

こうした兆候を見極める力は、経験の蓄積から生まれています。創業当初から野立ての太陽光発電に携わってきた中で、さまざまな測定機器や点検方法を経験してきました。その積み重ねが、原因の仮説を立てる引き出しの多さ、確認の精度、代替となる手段の豊富さにつながっています。

もう一つの要素が、拠点の近さです。恒電社は埼玉県を中心に施工しているため、保守部隊も県内に常駐しています。近隣のお客様に対しては迅速に駆けつけられる体制です。

現場担当者の視点(事業部長 折原への取材より)

――保守を別の会社に委託すると、どのようなことが起こり得ますか?

たとえば、とある会社の太陽光設備を弊社が施工し、保守は別の会社に依頼したとします。もし、保守を委託した別会社が1〜2年でなくなってしまい「太陽光発電の状況が分からなくなった」というのは、本来あってはならない事態です。

――屋根に上がって点検できるのは、なぜですか?

弊社では、電気工事業者として高所作業車などの設備を保有しており、実際に屋根に上がって点検しています。

――異常を見極めるノウハウは、どこから来ているのですか?

背景として、創業当初から野立ての太陽光発電に携わってきた中で、様々な測定機器や点検方法を経験してきました。

恒電社は、お客様の安全・安心を考えた結果として、いまの点検のやり方を選んでいます。施工から保守まで一貫して責任を持ち、点検で見つかった不具合は保証を活用した交換の手配まで対応します。

解説者

折原 恭平
株式会社恒電社 エネルギーマネジメント事業部

折原 恭平

金融機関や信用調査会社での営業経験を経て2018年に恒電社へ入社し、法人営業を担当。2022年よりエネルギーマネジメント事業部長として営業・施工管理の管理者として組織改善に携わっています。

インタビュアー

原澤耀
合同会社HARAFUJI

原澤耀

合同会社HARAFUJI・COO。マーケティングを中心に、企業の戦略および戦術支援事業に従事。
2022年から恒電社のマーケティングも担当し、電気や太陽光発電のことを、各関連分野のエキスパートに直接ヒアリングをしながら、できる限り分かりやすい表現と専門的な視点の両立を重視した情報発信に取り組んでいる。

よくある質問(FAQ)

Q1. 定期点検はどのくらいの頻度で、費用はどの程度かかりますか?

頻度と費用の目安は本記事では扱っていません。太陽光発電設備のメンテナンスの頻度と費用で解説しています。

Q2. 点検で不具合が見つかれば、必ず無償で交換できますか?

無償交換は、製品保証の対象と判断された場合に限られます。保証では、出力が3分の2を下回ったときに交換対象となります。破損の種類ごとの対応は太陽光パネルが破損した場合の対応をご覧ください。

Q3. 発注先を選ぶとき、保守について何を確認しておくとよいですか?

施工と保守の窓口が一社にまとまるのか、保守が別の会社に委託されるのかを、契約の前に確認しておくことです。分かれる形になる場合は、稼働後に誰へ連絡すれば設備の状態を確認できるのかを、あらかじめ整理しておくと安心です。

この記事を書いた人

Iwami
株式会社恒電社

岩見啓明

恒電社ではマーケティング(動画、記事、広報、企画、セミナー運営、デジタル広告)に加え、人事やインサイドセールスなど、事業部を横断して活動。個人では登録者数1万人超えのYouTubeチャンネルを運用した経験の他、SDGsの啓蒙活動で国連に表彰された経歴を持つ。2023年に二等無人航空機操縦士(ドローンの国家資格)、2024年に第二種電気工事士資格を取得。≫プロフィールはこちら

発電量の低下や機器の不具合は、気づくのが遅れるほど損失が積み上がります。恒電社は太陽光発電設備の監視・点検・パネル洗浄などのO&Mを提供しています。導入後の維持管理まで含めて、お気軽にご相談ください。

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導入の投資対効果はどのぐらい?

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  • 投資対効果
  • CO2の削減

まずは 発電シミュレーション から

発電シミュレーションと
導入後の発電量の比較 例
業種
食品流通業
条件
導入時期:2023年3月
パネル枚数:345枚
設備容量:143.175kW
パネル設置面積:680㎡
屋根面積:3,710㎡
発電シミュレーションと導入後の発電量の比較グラフの例 発電シミュレーションと導入後の発電量の比較グラフの例
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