A. 見積の取得から発注・納期の調整・仕様の確認までを担い、商社・メーカーなど社外と社内をつないで、施工現場に合った部材を手配する仲介業務(ハブ)です。
判断の要点
- 部材調達は契約後に始まる作業ではなく、ご提案の段階から発生します
- 恒電社ではカスタマーサポートチームが中心となり、見積の取得・発注業務・納期の調整・仕様の確認・必要に応じたコスト交渉を担います
- 製品の数量、納品先、搬入車両の種類、入金先の指定のいずれか一つでも取り違えると、現場に大きな影響が出ます
- 仕入先は価格の安さだけでは決めず、信頼できるパートナーとの長期的な関係性を重視しています
「Procurement(調達)」は社内と社外をつなぐ仲介業務
太陽光発電の「Procurement(調達)」とは、社内と、商社・メーカーなど社外の関係者をつなぐ「仲介役」としての業務です。恒電社ではカスタマーサポートチームがこの役割を担い、施工現場に最適な資材の確保とスムーズな工程進行を支えています。
EPC(設計・調達・建設)のうち「P」にあたる工程で、設計や施工に比べてお客様の目に触れる機会は多くありません。それでも、資材が予定どおりに現場へ届くかどうかは、工事の進み方を左右します。EPC全体の流れは太陽光発電のEPC事業とは何かを解説したFAQにまとめています。
調達は契約後ではなく、ご提案の段階から始まる
「部材調達」はお客様とご契約を結び、工事がスタートするまでに行うイメージを持たれることがありますが、実際はご提案の段階から発生します。カスタマーサポートチームの具体的な担当業務は、次のとおりです。
- 見積の取得
- 発注業務
- 納期の調整
- 仕様の確認
- 必要に応じたコスト交渉
いずれも、社内の担当者と社外の商社・メーカーの双方に確認をとりながら進める業務です。この体制によってお客様に生じる効果は、次の3点に分けられます。
| お客様にとっての効果 | それを支えているもの |
|---|---|
| 品質の安定性 | 信頼関係を築いた取引先との継続的なやり取り |
| トラブル発生率の低さ | 数量・納品先・搬入車両・入金先の確認体制 |
| 迅速な対応力 | 解決まで伴走するパートナーとの関係 |
表のとおり、3つの効果はいずれも仕入先との関係の築き方に由来します。以下、順に説明します。
価格の安さだけで仕入先を決めない理由|品質の安定性
恒電社の調達方針では、「価格の安さ」だけで仕入先を決めません。創業以来、代表の考えに基づいて、信頼できるパートナーとの長期的な関係性を何より重視してきました。代表の考えについては【代表インタビュー】恒電社が創業より大切にしている想いをご覧ください。
安定的に品質の高い製品をお届けできるのは、信頼関係を築いた取引先と継続的にやり取りしているからです。現場での使われ方を理解した仕入先との連携により、実際の施工環境に合った適切な資材を選定し、安定して提供ができています。
調達の誤りが工程に跳ね返る|特に重要な4つの確認項目
調達業務では次の項目が特に重要で、どれか一つでも間違えれば、現場に大きな迷惑をかけてしまいます。
- 製品の数量
- 納品先
- 搬入車両の種類
- 入金先の指定
一つ一つは単純なものに思えますが、太陽光発電システムの導入に関わる関係者は多く、その関係性も複雑です。調達がスピード感を持って進められない、または余計な工数を生んでしまうと、お客様へのご提案や施工も遅れ、プロジェクト全体の進行に影響が出てしまいます。だからこそ、ミスのない「調達」が重要になります。着工後の工期そのものを動かす要因は、太陽光発電設備の「工期」に影響を与える要因で解説しています。
不具合が起きたときに現場を止めないための体制|迅速な対応力
先に挙げた数量や納品先のような、トラブルが起こりやすい事象については、人為的ミスが起きにくい確認体制を整えています。ただし有形の商材を扱う以上、製品自体の不具合は発生しえます。
恒電社では、「納めて終わり」ではなく、万一のときも一緒に考え、解決まで伴走してくれるパートナーとだけ関係を築いています。そのため、メーカー・商社とEPC業者、施工業者などが協力したスピーディな対応によって、お客様の業務への影響を最小限に抑えることができます。
現場担当者の視点(カスタマーサポート担当への取材より)
――調達の情報の行き違いは、なぜ起きるのでしょうか?
一つ一つは単純なものに思えますが、太陽光発電システムの導入に関わるステークホルダーは大人数、かつ関係性も複雑です。伝言ゲームのようなやりとりの中で、ちょっとしたニュアンスの違いから誤認されることも少なくありません。
――商社機能を持つ子会社での経験は、いまの調達業務にどう活きていますか?
通関業者との調整や運送会社の手配、倉庫管理に出荷スケジュールの調整などを手掛けていたので、あらゆるリスクを想定して、ミスを未然に防ぐチーム体制の構築に役立ちました。
――機器に不具合が出たとき、仕入先はどのように動きますか?
ところが、たとえば機器の不具合が発生したとき、通常はメーカーの対応待ちになる場面でも、 当社の仕入先は「現場を止めない」ことを最優先に、自ら動いてくれるケースが多いです。
恒電社では、自家消費型太陽光発電のEPCの一部として、部材の調達をカスタマーサポートチームが担っています。社内の担当者と、商社・メーカーなど社外の関係者との間に立ち、認識をそろえたうえで発注まで進めることが調達の役割です。企業理念である「慕われる会社」を体現できるよう、取引先や協力会社との関係にも誠実に向き合っています。
解説者
向井 みゆき
よくある質問(FAQ)
Q1. 見積の段階で想定していた部材が、そのまま使えなくなることはありますか?
あります。パネルや蓄電池などの部材自体も時代に合わせてアップデートしたり、コストの関係で代替品を選定する必要が生じたりします。その際も、商社・メーカーとの情報共有が密に行えるため、より良い新製品情報や代替品のご提案などもできる土壌が整っています。
Q2. EPCの「調達」は、設計や施工とどのような関係にあるのですか?
EPCは設計(Engineering)・調達(Procurement)・建設(Construction)で構成され、調達はその中間にあたります。設計の内容が決まっても、資材が現場に届かなければ工事は進みません。設計側が担う業務の範囲は、太陽光発電の「Engineering(設計)」とは何なのかで解説しています。
Q3. 施工会社を比較するとき、調達の体制はどこを見れば分かりますか?
本記事で挙げた観点を質問に置き換えると、確認したいのは「調達はいつから始まるのか」「仕入先をどのような基準で選んでいるのか」「機器に不具合が出たときに誰が動くのか」の3点です。いずれも見積書の金額だけでは見えない部分で、工程の進み方や不具合発生時の対応の差につながります。恒電社の場合は、提案の段階から調達が動き、仕入先は価格の安さだけでは選ばず、不具合時にはメーカー・商社と施工側が協力して対応する形をとっています。
この記事を書いた人
岩見啓明
「うちの屋根に載せられるのか」への答えは、屋根の構造・築年数・耐荷重で変わります。設置可否の見立てや構造確認の進め方など、設計段階の疑問からご相談いただけます。

