A. 建物の構造・補強の要否、行政と電力会社の手続き、資材の調達状況、施工規模と施工時期、お客様の稼働スケジュールの5つで工期は変動し、発注から設置完了までは3〜6か月が目安です。
判断の要点
- 発注から設置完了までの目安は3〜6か月。さまざまな要因が重なることで、設置完了時期には幅が生じます
- 工事日程は、材料が最短でいつ揃うのかを基準に組み立てます。太陽光パネルやパワーコンディショナ(パワコン)は在庫を持たず、案件ごとに都度発注しています
- キュービクル内に設置する制御機器など、納期が1年以上かかる部材もあります。恒電社ではこうした長納期の部材を在庫分として事前に確保しています
- 停電作業をともなう日程は工場やオフィスの稼働スケジュールに合わせるため、着工タイミングが先送りになるケースもあります
太陽光発電設備の工期は発注から設置完了まで3〜6か月が目安
太陽光発電設備の工期は、発注から設置完了までおよそ3〜6か月が目安です。発注から設置完了までの期間については太陽光発電設備は発注から設置完了までにどの程度の期間を要するのかで解説しています。
目安に幅があるのは、建物の状態、行政や電力会社の手続き、資材の調達、施工規模と施工時期、お客様の稼働スケジュールという、性質の異なる要因が関わるためです。
工期に影響を与える5つの要因
| 要因 | 工期にどう効くか |
|---|---|
| 建物の構造・状態 | 建物が太陽光発電に適しているか、屋根の補強が必要かなどによって、設計や施工工程が変わります |
| 行政や電力会社の手続き期間 | 自治体の建築確認申請が必要な場合や、電力会社との接続許可手続きに時間がかかることがあります |
| 資材調達の状況 | 太陽光パネルやパワーコンディショナなど、使用する機器の在庫状況や生産・輸送状況によっては納期が延びる場合があります |
| 施工規模・施工時期 | 大規模な設置工事ほど工期は長期化しやすく、天候や繁忙期(年度末など)の影響も受けやすくなります |
| お客様の稼働スケジュール | 停電作業をともなう日程を工場やオフィスの稼働に合わせるため、着工タイミングが先送りになるケースもあります |
これらの要因が重なることで、実際の完了時期は変動します。
建物の構造と、行政・電力会社の手続き
建物が太陽光発電に適しているか、屋根の補強が必要かなどによって、設計や施工の工程が変わります。設置に向いていない屋根については屋根上太陽光発電設備の設置 | “形状が重要?”埼玉県の事例から分かる“向いていない”屋根とは?で解説しています。
手続きは、自治体の建築確認申請が必要な場合や、電力会社との接続許可手続きに時間がかかることがあります。導入前に必要な申請とその重要性は太陽光発電設備の導入前に必要な「申請」とは何か?その重要性は?で解説しています。新設倉庫への導入例は八千代紡織株式会社様が新設倉庫に自家消費型太陽光発電を導入した導入事例をご覧ください。
工事日程の組み立てで基準となる資材の調達
工事日程は、材料が最短でいつ揃うのかを基準に組み立てます。たとえば「必要な部材が2か月後にすべて納品される見込み」となれば、そのタイミングに合わせて着工できるよう工事日程を調整していきます。
太陽光パネルやパワーコンディショナは恒電社の社内に在庫を持っているわけではなく、案件ごとに都度発注する形をとっています。そのため、この工事にどの部材がどれくらい必要になるかが分かった段階で、取引先の電材商社に在庫状況と納品までの期間(リードタイム)を確認します。
また、太陽光工事で使用する機器の中には、キュービクル内に設置する制御機器など、一部で納期が1年以上かかるものもあります。そのため恒電社では、長納期の部材を事前に確保しています。調達で何をするのかは太陽光発電の「Procurement(調達)」とは何をするのか?で解説しています。
恒電社の調達・在庫管理の実務
恒電社では、営業担当がお客様との窓口となりつつ、CS(カスタマーサポート)チームが連携して部材調達や電力申請などを行っています。
カスタマーサポートチームは、設計図面の作成から受発注までを担当する専任チームです。調達で行っているのは、次の3点です。
- 納期を常時把握する:太陽光パネルやパワーコンディショナについて、「今発注した場合、どれくらいの納期がかかるのか」をCSチームの担当者が常に情報収集し、最新の状況を把握しています
- 長納期の部材を先行確保する:納期が長い部材については、あらかじめ在庫分として事前に確保しておく体制を整えています
- 確保量を実績から決める:在庫数は、これまでの施工実績や納期傾向をもとに判断します。「前回この部材は発注から納品まで10か月かかった」という記録があれば、その分を今のうちに確保しておく、という決め方です
あわせて、CSチームには商社で中国をはじめとした海外からの仕入れ・輸入業務に携わっていたメンバーが在籍しています。商社時代に培った調達・交渉・物流のノウハウを活かして戦略的に発注することで、納期遅れのリスクを抑え、コストや品質の面でも良い条件を整えやすくなります。
お客様の業務と並行して進めるための日程調整
自家消費型の太陽光発電設備の場合、お客様の業務と並行しながら工事を進める必要があります。停電作業をともなう日程は、工場やオフィスの稼働スケジュールに合わせる必要があります。
「夏は冷房設備を止めることが不可能」「寒くなってからでないと工事できない」といったお客様の業務上のご事情により、着工タイミングが先送りになるケースもあります。施工期間中の通常業務への影響は太陽光発電設備の施工期間中に、工場や事業所の通常業務に支障が出ることはあるのかで解説しています。発注前に準備すべきことは太陽光発電設備をスムーズに導入するために、発注前に準備すべきことで解説しています。
現場担当者の視点(事業部長 折原への取材より)
――発注から完了までのスケジュールは、どのように組み立てますか?
スケジュールはまず、材料が最短でいつ揃うのかを基準に組み立てを行います。たとえば、「必要な部材が2か月後にすべて納品される見込み」となれば、そのタイミングに合わせて着工できるよう、工事日程を調整していきます。
――納期遅れを防ぐために、恒電社で取り組んでいることは?
また、太陽光工事で必ず使用する機器の中には、キュービクル内に設置する制御機器など、一部で納期が1年以上かかるものもあります。そうした長納期の部材については、あらかじめ在庫分として事前に確保しておく体制を整えています。
――発注量のバランスはどのように決めていますか?
たとえば、「前回この部材は発注から納品まで10か月かかったから、今のうちに10か月分を確保しておこう」といったように、データだけではなく経験も活かした柔軟な対応を心がけています。
恒電社では、営業担当とカスタマーサポートチームが連携し、部材の納期を確認したうえで工事日程を組み立てています。停電作業をともなう日程は、お客様の稼働スケジュールとすり合わせながら進めます。
解説者
折原 恭平
インタビュアー
原澤耀
2022年から恒電社のマーケティングも担当し、電気や太陽光発電のことを、各関連分野のエキスパートに直接ヒアリングをしながら、できる限り分かりやすい表現と専門的な視点の両立を重視した情報発信に取り組んでいる。
よくある質問(FAQ)
Q1. 3〜6か月とは、どこからどこまでの期間ですか?
発注から設置完了までの目安です。工程ごとにどれくらいの期間がかかるかは案件によって異なります。
Q2. 最短ではどれくらいで設置が完了しますか?
屋根の補強の要否、行政や電力会社の手続き、部材の納期などによって完了時期は変動するため、期間は案件ごとに異なります。最短で完了するための条件は太陽光発電設備の設置が最短で完了するためには、どのような条件が必要かで解説しています。
Q3. 業種や建物によって工期に違いは出ますか?
建物の構造・状態や、お客様の業務上のご事情によって工期は変動します。業種・建物別の詳細は業種によって、太陽光発電設備の工事スケジュールにはどのような違いがあるのかと業種や建物の用途によって、屋根の強度や太陽光パネルの設置スペースに違いはあるのかをご覧ください。
「うちの屋根に載せられるのか」への答えは、屋根の構造・築年数・耐荷重で変わります。設置可否の見立てや構造確認の進め方など、設計段階の疑問からご相談いただけます。
この記事を書いた人
岩見啓明

