A. 発注から設置完了までは3〜6か月程度が目安で、前提条件がない場合は合計6か月とお答えしています。ただし工事完了と稼働開始は別で、稼働までにさらに数か月の手続き期間を見込む必要がある場合もあります。
判断の要点
- 発注から設置完了までの期間は、一般的に3〜6か月程度が目安です。工場や施設の規模、屋根や建物の状態、電力会社や行政の手続き状況によって前後します
- 内訳は、調達に時間がかかる材料が約4か月、資材が揃ってから着工して工事自体は1〜1.5か月。特に前提条件がない状態で聞かれた場合は「合計6か月」とお答えしています
- 工事が完了しても、太陽光発電をすぐに稼働できるわけではありません。2023年3月20日の電気事業法改正により、10kW以上500kW未満の太陽光発電設備も「使用前自己確認」の届出の対象になりました
- そのため計画は「発注から設置完了まで」と「稼働開始まで」を分けて置き、余裕を持った日程とリスク管理を前提にします
発注から設置完了までの目安は3〜6か月
自家消費型太陽光発電システムの導入にかかる期間は、発注から設置完了まで一般的に3〜6か月程度が目安です。ただし、工場や施設の規模、屋根や建物の状態、電力会社や行政の手続き状況によっては、この幅から前後します。
期間を左右しやすいのが、発電システムの設置に必要な許認可申請と、電力会社との契約手続きです。いずれも時間を要するケースがあるため、導入を検討する段階から余裕を持って計画を立てることが大切です。
自家消費型太陽光発電そのものの位置づけは【基礎】自家消費型太陽光発電とは?埼玉県の導入事例から知る、工場に導入する“リアル”なメリットを紹介、工期に影響する要因は太陽光発電設備の「工期」に影響を与える要因にはどのようなものがあるのか?で解説しています。
工程の内訳:資材調達に約4か月、工事は1〜1.5か月
目安として示している期間の中身は、材料の調達と工事の2つに分かれます。
| 工程 | 期間の目安 |
|---|---|
| 調達に時間がかかる材料の手配 | 約4か月 |
| 着工から工事完了まで | 1〜1.5か月 |
| 合計(特に前提条件がない場合の回答) | 6か月 |
この表から、期間の大半を占めるのは工事そのものではなく材料の調達だと読み取れます。工事自体は1〜1.5か月ほどで完了する一方、資材が揃うまでに約4か月かかるため、全体の期間は資材の調達状況や着工時期に大きく左右されます。
ただし、調達は前倒しになる場合も後ろ倒しになる場合もあり、着工時期も確定的ではありません。合計6か月は「基本的には納められる」という基本的な目安であり、確定した工期ではない点にご注意ください。工事そのものの期間が現場の条件でどう変わるかは、業種によって、太陽光発電設備の工事スケジュールにはどのような違いがあるのか?で解説しています。
「工事完了」と「稼働開始」は同じではない
何をもって「設置工事完了」とするかは、解釈によって変わります。工事自体が終わっても、太陽光発電をすぐに稼働できるわけではないためです。
2023年3月20日の電気事業法改正により、「使用前自己確認」の対象となる太陽光発電設備が拡大しました。改正前は500kW以上が対象でしたが、改正後は10kW以上500kW未満も届出の対象です。この使用前自己確認が完了した時点をもって、本格稼働と定義づけることもできます。
工事が終わっても使用前自己確認をはじめとする手続きが残るため、お客様が太陽光発電を稼働させ、実際にその恩恵を受け始めるまでには、さらに数か月かかる可能性があります。工事完了日をゴールに置かず、稼働開始までの手続き期間を含めて計画することが必要です。
期間が前後する要因
目安として示した期間が動く要因は、次のとおりです。
- 工場や施設の規模、屋根や建物の状態といった現場側の条件
- 発電システムの設置に必要な許認可申請に時間を要するケース
- 電力会社との契約手続きや、電力会社側の手続き進捗
- 資材の供給遅延による調達の後ろ倒し
- 大きな地震など、予期せぬ要因によるスケジュールのずれ
これらが重なると半年以上かかることもあります。逆に、施工規模や施設の条件によっては、目安より短い期間で済む場合もあります。いずれも事前に読み切れる要素ばかりではないため、不確定な要素として計画の前提に入れておくことが必要です。
余裕を持った計画とリスク管理の考え方
ここまでの内容を踏まえると、計画時に押さえておく点は3つです。
- 起点と終点をそろえる: 「発注から設置完了まで」と「稼働開始まで」は別の期間として分けて置きます
- 調達期間を先に押さえる: 期間の大半は材料の調達です。工事の1〜1.5か月だけを見て日程を組まないようにします
- 不確定な要素を前提に入れる: 資材の供給遅延、予期せぬ要因、電力会社側の手続き進捗は、いずれも計画を左右します
恒電社では、現地調査、設計、見積り、資材調達から施工までを一括管理し、徹底したスケジュール調整を行うことで、導入を円滑に進めることに努めています。導入先を選ぶ際の視点は【法人向け】埼玉県の“自家消費型太陽光発電”導入事例集 | お客様が業者を選ぶ“本当”の理由とは?もあわせてご覧ください。
現場担当者の視点(事業部長 折原への取材より)
――前提条件がない状態で期間を聞かれた場合、何か月とお答えしていますか?
ケースバイケースではありますが、特に前提条件がなく聞かれた場合は「6か月」と答えます。
――その6か月の内訳はどうなっていますか?
この6か月というのは、発注から調達に時間がかかる材料が現在約4か月程度必要で、それが揃ってから着工し、工事自体は1〜1.5か月ほどで完了するためです。合計で6か月あれば、基本的には納められるというのが回答になります。
――スケジュールがずれる可能性は、どこまで前提に入れておくべきですか?
ただし、もちろんのこと、調達が前倒しになる場合もあれば、後ろ倒しになる場合もありますし、着工時期も確定的ではありません。たとえば、大きな地震などが発生すればスケジュールがずれることもあり、そこは不確定な要素として前提に入れておくべきだと考えています。
恒電社では、現地調査から設計・見積り・資材調達・施工までを一括して管理し、調達状況や着工時期の変動を工程に反映しながらスケジュールを調整しています。
解説者
折原 恭平
インタビュアー
原澤耀
2022年から恒電社のマーケティングも担当し、電気や太陽光発電のことを、各関連分野のエキスパートに直接ヒアリングをしながら、できる限り分かりやすい表現と専門的な視点の両立を重視した情報発信に取り組んでいる。
よくある質問(FAQ)
Q1. 使用前自己確認とは、何をする制度ですか?
太陽光発電所設備を稼働させる前に行う安全確認作業の1つです。経済産業省が定めた一定規模の発電所を新設する場合や、既設発電所の設備を変更する場合に実施しなければならず、結果を経済産業省に届ける必要があります。根拠は電気事業法第51条の2、および電気事業法施行規則等の一部を改正する省令(令和4年12月14日経済産業省令第96号、令和5年3月20日施行)です。
Q2. 発注前に準備しておくことや、必要な申請にはどのようなものがありますか?
許認可申請や電力会社との契約手続きは時間を要するケースがあるため、何をいつ進めるのかを早い段階で把握しておくと、日程を組みやすくなります。発注前の準備は太陽光発電設備をスムーズに導入するために、発注前に準備すべきことは?、申請の内容は太陽光発電設備の導入前に必要な「申請」とは何か?その重要性は?をご覧ください。
Q3. 目安より短い期間で設置が完了することはありますか?
施工規模や施設の条件によっては、もっと短い期間で済む場合もあります。どのような条件が揃ったときに短くなるのかは、太陽光発電設備の設置が最短で完了するためには、どのような条件が必要か?で解説しています。
この記事を書いた人
岩見啓明
「うちの屋根に載せられるのか」への答えは、屋根の構造・築年数・耐荷重で変わります。設置可否の見立てや構造確認の進め方など、設計段階の疑問からご相談いただけます。

